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キオクシアが決算で営業利益1兆3,000億円。買いたくなった自分を、止めた話
ニュース2026-08-01📖 約9分で読めます

キオクシアが決算で営業利益1兆3,000億円。買いたくなった自分を、止めた話

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ごまもち
🐾 ごまもち
なんか、すごい すう字が でてるよ?🐾
あずき
あずき
うん。それがね、ちょっと買いたくなっちゃったの。

7月に一度書いたキオクシアの株価を、ここ数日ずっと見ていた。

6月に11万2,000円まで行った株価が、7月28日には5万円を割り、29日には3万8,380円高値から3分の1だ。

そして7月31日、決算が出た。株価は+17.72%の4万6,500円まで急反発した。

数字を見た瞬間、買おうかなと思った

この記事は、その気持ちと、それでも買わないと決めた理由の話だ。


1. 決算の中身が、想像以上だった

まず、出てきた数字から。

📌 2027年3月期 第1四半期(2026年4〜6月)
売上収益:1兆7,671億円(前年同期比 +415.5%=5倍強)
営業利益(Non-GAAP):1兆3,262億円営業利益率75%
四半期利益:8,422億円
第2四半期(7〜9月)の会社予想:売上2兆3,900億円、営業利益1兆9,000億円、純利益1兆2,800億円とさらに伸びる見通し

営業利益率75%。売上の4分の3が利益になっている。

しかも同じ日に、株主還元も出た。

  • 自社株買い8,000億円(8月3日〜10月30日、約3,000万株)
  • 1株を3株に分割(2026年9月30日)
  • 2026〜2028年度に年平均4,700億円の設備投資

AI向けのデータセンター需要が、そのまま数字になっていた。


2. 正直に書く。買いたくなった

ごまもち
🐾 ごまもち
あずきが かいたくなるの、めずらしいね🐾
あずき
あずき
でしょ。自分でもびっくりした。気づいたら、スマホで計算をはじめてたの。

わたしはインデックスが土台で、個別株は日本の高配当株を持っているだけだ。値上がりを狙って買うことは、基本的にしない。

それでも、このときは頭の中で計算が始まっていた。

🧮 わたしの頭の中で回っていた計算
1Qの四半期利益8,422億円。発行済株式数は約5億4,800万株
1株あたり約1,537円。これで1四半期ぶん
2Qの純利益予想1兆2,800億円なら、1株あたり約2,335円
上期だけで、1株あたり約3,900円
株価4万6,500円。仮に通期で8,000円なら…PERは6倍を切る

高値から3分の1まで下げたところに、この決算。

「安いのでは」と思ってしまった。これがスケベ根性というやつだと思う。


3. でも、その計算をやめた

やめたのは、2年前の決算を思い出したからだった。

⚠ 2024年3月期(2023年度)のキオクシア
営業損益:2,527億円の赤字
純損益:2,437億円の赤字2期連続かつ過去最大
原因は、NAND型フラッシュメモリの価格の大幅下落

同じ会社だ。

いま四半期で1兆3,262億円を稼いでいる会社が、わずか2年前には、過去最大の赤字を出していた

ごまもち
🐾 ごまもち
2ねんまえは、あかじ だったの?🐾
あずき
あずき
そう。しかも過去最大のね。この会社は、そういう波の中にいるんだ。

メモリはシリコンサイクルと呼ばれる波の中にある。需要が強いと各社が増産し、増えすぎると価格が急落して赤字になる。そしてまた需要が追いついて、価格が上がる。

この波の振れ幅が、とんでもなく大きい。 2年で「過去最大の赤字」から「利益率75%」まで動く会社だ。


4. シクリカル株は、PERが低いときが危ない

ここで、知っておきたい原則がある。わたしがさっきやっていた計算そのものが、罠だったという話だ。

普通の成長株なら、PERが低い=割安でいい。でも、こういう市況で動く会社(シクリカル株)はになる。

🔄 成長株とシクリカル株では、PERの意味が逆になる
  PERが低いとき PERが高い・計算できないとき
ふつうの株 割安のサイン 割高のサイン
シクリカル株 好況のピークが近いサイン 底が近いサイン
利益が膨らみきった好決算のときほど、PERは低く見える。市場は「この利益は続かない」と分かっているので、そこに高い倍率をつけないからだ。PERが低いから飛びついた時が天井だった、というのが典型的な失敗の形になる。

理屈はこうだ。

好況のピークでは、利益が一時的に膨らむ。市場は「この利益は長続きしない」と分かっているので、そこに高い倍率をつけない。だからPERが低くなる

逆に、不況のどん底では利益が消えるので、PERは高くなるか、赤字で計算できなくなる。そこが底だったりする。

つまり、わたしが「PER6倍を切る」と喜んでいたことは、割安の証拠ではなく、市場が『この利益は続かない』と見ている証拠かもしれない、ということだ。


5. わたしには、読めないことが多すぎた

じゃあ、どこがピークなのか。それが読めれば買えばいい。

でも、そのために何を当てないといけないかを並べてみて、諦めた。

⚠ 買うなら、これを当てないといけない
①NAND価格が、いつ天井を打つか。この会社の利益は、ほぼこれで決まる
②GAFAMなどのAI投資が、いつまで続くか。キオクシアの努力とは関係なく決まる
③サムスンなど競合が、どれだけ増産するか。供給が需要をわずかに超えただけで、価格は急落する

しかも、皮肉なことがある。

会社は2026〜2028年度に年平均4,700億円の設備投資をすると発表した。需要が強いのだから、当然の判断だ。でも各社が同じことをすれば、いつか供給が需要を追い越す

🔄 シリコンサイクルは、こう回る
① AI需要でメモリが売れる ← いまここ(利益率75%)
② 儲かるので、各社が巨額の設備投資をする(キオクシアも年平均4,700億円)
③ 数年後、供給が需要を追い越す
④ 価格が急落し、赤字になる(2年前の姿)
→ そして①に戻る

好調だからこそ増産し、増産したからこそ崩れる。 これがシリコンサイクルの正体だった。

会社自身は「2027年はメモリ需要が供給を上回る」と見ている。でも、その先のことは誰も言っていない。

ごまもち
🐾 ごまもち
よく うれるから いっぱい 作って、作りすぎて やすくなっちゃうんだ🐾
あずき
あずき
ね。しかも、どこで折り返すかは誰にも分からないんだよね。

わたしの持ち方は、こういう理屈で立っている。

  • 高配当株:配当をもらい続ける
  • インデックス:長期なら右肩上がりだった、という歴史を信じる

どちらも、タイミングを当てる必要がない

でもキオクシアは、当てないと報われない。わたしがいま買えば、それは投資というよりギャンブルだ。

だから、やめた。


6. そして、買わなくても、もう持っていた

ここが、いちばん腑に落ちたところ。

調べていて気づいたのだけれど、わたしはすでにキオクシアの株主だった。

2025年11月5日、キオクシアはMSCIのオール・カントリー・ワールド・インデックス(ACWI)に新規採用されている。 日本株の組み入れ数が純増するのは3年9カ月ぶりという、それ自体がニュースになった出来事だった。

そしてオルカンは、このMSCI ACWIに連動している。

💡 わたしとキオクシアの関係
自分で買うと決めたわけではない
時価総額が大きくなったから、指数が勝手に入れた
これから伸びれば比重が増えるし、しぼめば勝手に減る
わたしは、判断しなくていい側にいた

「参加しない」のではなく、「自分で選ぶゲームには参加しない」だけだった。市場全体としては、もう乗っている。

これに気づいたら、買いたい気持ちがすっと消えた


7. まとめ

  • キオクシアの1Q(2026年4〜6月)は、売上1兆7,671億円(+415.5%)、営業利益1兆3,262億円、営業利益率75%自社株買い8,000億円と1株→3株の分割も同時発表
  • 株価は7月31日に+17.72%の4万6,500円へ。6月の高値11万2,000円から3分の1まで下げた直後だった
  • そして買いたくなった。上期だけで1株あたり約3,900円、通期8,000円ならPERは6倍を切る計算になる
  • でも2年前(2024年3月期)、同じ会社が過去最大の2,437億円の赤字を出している。NAND価格の下落で
  • そしてシクリカル株は、PERが低いときが好況のピークのサインになりやすい。割安の証拠ではなく、「この利益は続かない」と市場が見ている証拠かもしれない
  • 買うなら、①NAND価格の天井 ②AI投資がいつまで続くか ③競合の増産を当てる必要がある。わたしには読めない
  • わたしの持ち方は、高配当株=配当をもらい続ける/インデックス=長期なら右肩上がりだった歴史を信じるどちらもタイミングを当てる必要がないでもこの株は、当てないと報われないわたしがいま買えば、それは投資というよりギャンブルになる
  • しかも好調だから増産し、増産したから価格が落ちるのがシリコンサイクル。会社は2027年まで強気だが、その先は誰も言っていない
  • そして気づいた。2025年11月にMSCI ACWIへ採用されたので、オルカン経由でもう持っていた自分で選ぶゲームに参加しないだけで、市場全体としては乗っている

読めないことは、読まなくていい形にしておく。わたしにできるのは、それくらいだ。

ごまもち
🐾 ごまもち
あずき、まだ すう字を 見てるよ?🐾
あずき
あずき
……バレた? 買わないって決めたのに、まだちょっと惜しい気がしてるんだよね。
📚 参考にした情報源 ・決算・自社株買い・株式分割:ITmedia ビジネスオンライン「キオクシア、株価3分の1急落は『絶好のタイミング』」(2026年7月31日)
・決算の数値:キオクシアホールディングス「決算説明資料」
・2024年3月期の赤字:EE Times Japan「キオクシアの23年度は過去最大の2437億円赤字」
・シクリカル株とPERの関係:日本経済新聞「PERが信頼できない景気敏感株」
・MSCI ACWIへの新規採用:日本経済新聞「MSCI、『全世界株』日本4銘柄追加 キオクシア・JX金属など」
⚠ 免責事項 この記事はあずき個人の見解・体験のシェアであり、特定の銘柄・金融商品の売買を推奨・勧誘するものではありません。「買わない」という判断もあずき個人のものであり、他の方にとって適切とは限りません。記事中の株価・業績数値は2026年7月31日時点で公表されたもので、その後変動します。1株あたり利益の試算は公表数値からの単純計算で、会社が公表した予想ではありません。投資は価格が変動し、元本を割り込む可能性があります。必ずご自身の判断と責任で行ってください。

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