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警戒していたロックアップ解除。その月、株は3割上がっている
ニュース2026-08-15📖 約11分で読めます

警戒していたロックアップ解除。その月、株は3割上がっている

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ごまもち
🐾 ごまもち
かぶを うっていいひとが ふえたのに、あがったの?🐾
あずき
あずき
そうなの。下がる理由のひとつに挙げてたんだけど、逆に動いたから気になって。

10日前、スペースXの決算について書いた。そのなかで、株価が下がっている理由のひとつとして、これから売れる株が増えることを挙げた。

最初のロックアップ解除のことだ。日経は「6日にも初解除」と報じていた。

その最初のひとつが、8月に入って失効した。結果は、いまのところ3割高だ

ただし、この「3割」は8月に入ってからの数字だ。決算は解除より前の8月4日に出ている。上げのきっかけは、解除だけではない


1. わたしが書いたことと、実際に起きたこと

まず、10日前に書いたことから。

📝 8月5日に書いたこと
上場時に売れなかった株が、8月6日から売れるようになる
株価が下がっている理由として、需給の問題もあると書いた
→ 報道でも「ロックアップ解除への警戒」とされていた

そして、実際にはこうなった

⚠ 起きたこと
7月末までに、株価は33%近く下落(ロイター。起点は書かれていない)
その後、四半期決算最初のロックアップ解除を受けて
→ 8月に入り、30%急伸
33%下がってから30%上がっても、元の値段には戻らない(100→67→87)。下げを取り返したわけではない

売り物が増える日が来て、上がった。直感とは逆だ

なぜ、下がらなかったのか。調べてみて、思い当たったことが3つある。それと、同じ時期に起きていたことが、もうひとつあった。


2. そもそもロックアップとは

先に、言葉の確認から。

🔒 ロックアップ
上場するとき、もとからいた株主は、しばらく売れないという約束をする
→ 上場した直後に、いっせいに売られるのを防ぐため
その期限が切れることを、ロックアップ解除という

上場したその日から売られたら、株価が崩れやすい。だから、期間を決めて縛っておく。

その縛りが、8月に入ってひとつ外れた

ロイターは「複数あるうちの、最初の1つ」が失効した、と書いている。つまり、まだ先にも残っている


3. 理由① もう、先に売られていた

いちばん大きいのは、これだと思う。

ロックアップがいつ外れるかは、上場のときから決まっていた。誰でも知っている日付だ。

📅 みんなが知っていた日付
「8月6日に、売り物が増える」と分かっている
その日を待たずに、先に売る人が出る
→ だから7月末までの下落には、その先回りの売りが入っていた可能性がある

株価は、先に織り込む。10日前の記事に、自分でこう書いていた。

株価は、これから起きると分かっていることを、先に織り込んで動く

自分で書いておいて、それを当てはめて考えなかった。今回は、解除の日には、もう織り込まれていたのかもしれない


4. 理由② 売れるようになっても、売るとはかぎらない

もうひとつ、見落としていたことがある。

「売れるようになる」と「売る」は、別だ

💡 縛りが外れても、売るとはかぎらない
中の人が売ると、「先行きに自信がないのか」と見られる
だから、あえて売らないという判断もある
→ 身構えていたほどの売りが出なければ、警戒が解ける

ひとつ注意がいる。8月13日の届出でマスク氏の持ち株は48.4%だと報じられたが、これは6月30日時点の数字だ。ロックアップが外れたのは8月に入ってから。解除のあとで売ったかどうかは、この数字からは分からない

ごまもち
🐾 ごまもち
うれるのに、うらなかったんだ🐾
あずき
あずき
今回そうだったかは分からないんだけど、売らないっていうのがメッセージになることはあるみたい。

5. 理由③ 売りに賭けていた人が、買い戻した

ここが、いちばん分かりにくいところだ。空売りという仕組みが関わってくる。

わたしは何度聞いてもこんがらがるので、順を追って書いてみる。

わたしが最初に引っかかったのは、「持っていない株を、どうやって売るのか」だった

たとえ話で説明する。

📖 100円の本で考える
これから値下がりすると思ったときに使う手。持っていないものを、先に売ってしまう
① 借りる 友だちから本を1冊借りる(返す約束)
② 売る その本を古本屋に100円で売る
③ 待つ 値下がりして、同じ本が60円になった
④ 買う 60円で買い直す
⑤ 返す ④で買った本を、友だちに返す(100円を返すのではない)
→ 手元に40円残る。これが空売りのもうけ
友だちが返してほしいのは「同じ本」であって「100円」ではない。だから安く買い直せた分が、そのまま手元に残る(実際は借りるのにお金がかかるので、もうけはその分だけ減る)。なお実際の株で貸してくれるのは、友だちではなく証券会社

ふつうの取引と、順番が逆になっている。買ってから売るのではなく、売ってから買う

ここまでは、下がった場合の話だ。問題は、逆に上がったときだ

⚠ 上がると、こんどは苦しくなる
ところがその本が急に話題になり、140円に値上がりしたとする
それでも本は返さないといけない
→ 140円で買い直すことになり、40円の損
→ 上がれば上がるほど、損は膨らんでいく

上がるほど苦しくなるので、急いで買い戻すことになる。その買いが、さらに株価を押し上げる

ごまもち
🐾 ごまもち
ともだちに かりた ほんを うっちゃったんだ🐾
あずき
あずき
そう。実際にやっちゃだめだよ笑

「解除で下がる」と読んで空売りしていた人は、上がったところで買い戻すことになる

ただし、今回の上げのうちどれだけが買い戻しだったのかは、外からは分からない。そういう力が働く仕組みになっている、というところまでだ。


6. 決算も、同じ時期に出ていた

ここは、正直に書いておきたい。ロックアップだけで3割上がったわけではない

決算が出たのは8月4日。ロックアップの初解除は、日経が「6日にも」と報じていた。決算のほうが先だ

ロイターはこう書いている。

四半期決算と、複数あるロックアップのうち最初の1つが失効したことを受け、8月に入り30%急伸

📊 同じ時期に出ていたもの
上場後はじめての四半期決算
売上高は前年同期比90%超の増加
ただしAI投資で850億円の赤字
→ 設備投資も大幅に拡大していた

売上が9割増えて、同時に赤字も出た決算だった。それでも株は買われた。

どちらがどれだけ効いたのかは、切り分けられない。わたしにできるのは、両方が同じ時期に起きたと知っておくことまでだ。


7. 未来は読まない。でも、考えるのは面白い

3つとも、聞けばなるほどと思う。でも、書いているときは、そこまで頭がまわらなかった。

ごまもち
🐾 ごまもち
はずれて、くやしい?🐾
あずき
あずき
当てにいってないから、外したっていうのもちがう気がする。ただ、なんでこうなったのかは気になった。

調べてみて、いちばん残ったのはこれだった。

決まっていた予定を知っていても、株価がどちらに動くかは別だった

解除の日は誰でも知っていたし、その日に何が起きるかも分かっていた。それでも、上がるか下がるかは別のところで決まる。悪いと分かっていれば先に売られるし、その日が来て思ったほど売りが出なければ、こんどは買い戻される。

ニュースを見て「これは悪い話だ」と思ったとき、その悪さは、もう値段に入っているかもしれない。逆に「いい話だ」と思っても、すでに上がったあとかもしれない。

ニュースは考えるヒントであって、未来を教えてくれるものではない。読める人はいるのかもしれないけれど、わたしはそうではないし、そういう投資スタイルでもない。

実際にわたしは、オルカンを積み立てて日本の高配当株を117銘柄持っている。積み立てているのはオルカンだけで、売り買いはほとんどしない。スペースXも、オルカンに入っているぶんを、勝手に持っているにすぎない。今回の3割高も、下がっていた7月も、わたしは何もしていない。

ただ、動かさないことと、考えないことは別だ。「なんでこうなったんだろう」と調べていったら、空売りの仕組みまでたどりついた。こういうのは、けっこう面白い。

未来は読まない。でも、考えるのはやめない


8. おまけ 気になったことが、ひとつ残っている

本題はここまでだけれど、4章で触れた8月13日の届出に、もうひとつ目を引いた数字があった。

📄 8月13日の届出から
マスク氏の持ち株の割合は48.4%(64億2,000万株/6月30日時点)
その保有株の評価額は9,000億ドル超(約142兆円、1ドル158円換算)
※株数は6月30日時点、評価額は報道時点(8月14日)の市場価格にもとづく
→ ところが議決権(会社の方針を決める投票の権利)は82%超
内訳は信託が持っているぶんが大半(クラスA 8億4,950万株+クラスB 39億2,000万株)。ほかに本人保有の制限付き株13億株。さらに、行使すれば取得できるストックオプション分が3億5,000万株。これも合計に入っているが、まだ手にしている株ではない

持ち株は半分に届いていないのに、投票の権利は8割を超えている

ごまもち
🐾 ごまもち
そんな かぶが あるの?🐾
あずき
あずき
あるみたい。株に種類があって、議決権の重さが違うんだって。

気になるので、ここはまた別に調べてみようと思っている


9. まとめ

🐾 この記事のまとめ
  • 10日前に「ロックアップ解除で、売れる株が増える」と書いた。ところが株価は下がらず、7月末までに33%近く下げたあと、8月に入ってから3割上がっている
  • ロックアップとは、上場時にもとからいた株主がしばらく売れないという約束。その期限が切れることを解除という
  • 理由① 解除日はみんなが知っていたので、待たずに先に売られていた。当日には、もう織り込まれていたのかもしれない
  • 理由② 売れるようになっても、売るとはかぎらない。中の人が売れば「自信がないのか」と見られるので、あえて売らない判断もある(報じられた48.4%は6月30日時点の数字で、解除後の売りは分からない)
  • 理由③ 空売り(借りた株を売って、あとで買い戻して返す取引)の買い戻し。上がると損が膨らむので急いで手じまいすることになり、その買いが、さらに上げを強める
  • そして同じ時期に決算も出ていた(売上は前年同期比90%超増)。ロックアップだけで3割上がったとは言えない
  • 33%下がってから30%上がっても、元の値段には戻らない(100→67→87)。下げを取り返したわけではない
  • ニュースを見て「悪い話だ」と思ったとき、その悪さはもう値段に入っているかもしれないニュースは考えるヒントであって、未来を教えてくれるものではない。上がった今回も、下がっていた7月も、わたしは何もしていない
  • 未来は読まない。でも、考えるのはやめない。動かさないことと、考えないことは別だ
ごまもち
🐾 ごまもち
よそうって、しないんだね🐾
あずき
あずき
うん。当たっても外れても、やることは変わらないから。ただ、なんでこうなったのかは知っておきたいの。
📚 参考にした情報源 ・マスク氏の保有と株価の動き:ロイター「マスク氏、スペースX株48.4%保有 評価額9000億ドル超」(2026年8月14日)ニューズウィーク日本版(同内容)
・ロックアップの初解除:日本経済新聞「スペースX、ロックアップ6日にも初解除」
・決算の内容:日本経済新聞「スペースX初の決算発表、4〜6月9割増収 AI投資で850億円赤字」(2026年8月4日)
⚠ 免責事項 この記事はあずき個人の見解・体験のシェアであり、特定の投資手法・金融商品を推奨・勧誘するものではありません。空売りは損失が理論上かぎりなく大きくなりうる取引で、わたし自身は行っていません。記事中の数字は2026年8月時点のもので、その後変動します。株価の先行きについて何かを予測するものでもありません。投資は価格が変動し、元本を割り込む可能性があります。必ずご自身の判断と責任で行ってください。

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