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スペースXが850億円の赤字。わたしもちょっとだけ株主です
ニュース2026-08-05📖 約15分で読めます

スペースXが850億円の赤字。わたしもちょっとだけ株主です

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ごまもち
🐾 ごまもち
850おくえんの あかじ? だいじょうぶなの?🐾
あずき
あずき
それがね、中身を見ると「使いすぎて赤字」に近いんだ。

スペースXが、上場してはじめての決算を発表した。結果は850億円の赤字

見出しだけ読むと不安になるけれど、中身を開けたら思っていたのとかなり違った

そしてもうひとつ。この決算は、ちょっとだけわたしの話でもある。

わたしは6月29日から、この会社の株主になっている。

自分で買ったわけではない。6月に予想した記事の答え合わせもかねて、順番に書いていく。


1. 赤字の中身が、思っていたのと違った

まず、出てきた数字から。

📌 スペースX 2026年4〜6月期(上場後はじめての決算)
売上高:78億1,400万ドル(前年同期比 +92%)
最終損益:5億4,100万ドル(約850億円)の赤字。ただし前年同期は10億800万ドルの赤字だったので、赤字は半分近くまで減っている
設備投資:約184億ドル(約2兆9,000億円)前年同期の6倍超

売上は倍近くに増えて、赤字は半分に減っている。 それでも赤字が残るのは、AIのモデル開発と、スターシップの研究開発にかかるお金が重いからだ。

さらにその外側で、データセンターなどへの設備投資が2兆9,000億円この四半期の売上(約1兆2,000億円)の2倍以上にあたる。稼いだお金をはるかに超える金額を、未来に投じている。


2. 稼ぎ頭が、稼げない事業を養っている

ごまもち
🐾 ごまもち
ロケットで もうけてるんじゃないの?🐾
あずき
あずき
それが違うの。稼いでるのは、空に飛ばしたインターネットのほうなんだ。

事業ごとに分けると、構造がはっきり見える。

📊 どこが稼いで、どこが使っているか
事業 中身 もうけ
通信
スターリンク
売上42億9,100万ドル(+66%)
全体の半分超
営業利益16億5,600万ドル
(+79%)
AI モデルの開発、データセンターへの投資 営業赤字
宇宙 大型宇宙船「スターシップ」の研究開発 営業赤字
スターリンクの契約者は1,200万契約で、前年同期からほぼ倍増している。

つまり、こういう会社だった。

空に飛ばしたインターネットで稼いだお金を、そのまま全部、AIとロケットに注ぎ込んでいる。

ロケットが稼いで宇宙に行っているのだと思っていたけれど、実際は逆だった。通信という地味な商売が、派手な事業を養っている

ごまもち
🐾 ごまもち
かせいだ ぶんを、ぜんぶ つかっちゃうんだ🐾
あずき
あずき
うん。だから赤字なんだけど、これは「まずい赤字」とはちょっと違うんだよね。

赤字には、大きく2種類ある。商売がうまくいかなくて出る赤字と、先にお金を使いすぎて出る赤字だ。

スペースXは後者にあたる。稼ぐ力(スターリンク)はしっかり伸びていて、そのお金を未来に投げている。

ただし、後者なら安心というわけでもない。投げたお金が返ってくる保証は、どこにもないからだ。


3. わたしも、ちょっとだけ株主になっている

ここは、6月に書いた記事の答え合わせになる。

6月にわたしは、スペースXは各指数にいつ入るのかという記事を書いた。そのとき出した予想が、これだった。

📝 6月13日の記事で書いた予想
オルカン(MSCI ACWI):6月下旬ごろ
QQQ(NASDAQ100):7月上旬ごろ
S&P500:数年先の可能性も

そして実際は、2026年6月29日にオルカンへ組み入れられた。日経にも「スペースX株7%高 『オルカン』組み入れ、指数買いが支え」という記事が出ている。QQQのほうも、7月7日に組み入れ。こちらも予想どおりだった。

2つとも、当たっていた。 そして意味するところは、こうだ。

わたしは6月29日から、スペースXの株主になっている。

自分で「買おう」と思ったことは一度もない。銘柄を選んでもいない。時価総額が大きくなったから、指数が勝手に入れた。組み入れの比率は、いまのところ0.1〜0.2%程度とみられている。

だから今回の850億円の赤字も、ちょっとだけ、わたしの話だった。


4. S&P500には、まだ入れない。しかも遠のいた

もう1本、6月にS&P500の判断について書いた記事がある。そこでは「最短でも2027年6月以降」と見ていた。

今回の決算で、それはさらに遠のいた。

⚠ S&P500に入るための条件
直近4四半期の利益の合計がプラスで、直近の四半期も黒字であること
さらに、発行済み株式の50%以上が市場で売買できる状態であること
そのうえで、上場から最低12か月は待つ必要がある
→ スペースXは年間の黒字を、まだ一度も達成していない(2025年通期は49億4,000万ドルの純損失)

年間で黒字になるのは2027年ごろという見方がある。そこに12か月の条件が乗るので、いまの計算では最短でも2028年の後半。2年以上、先の話になった。

つまり、同じ会社でも、どの指数を通して持つかで、入ってくる時期がまるで違う

わたしはオルカンとS&P500を両方持っている。スペースXはオルカンのほうにはもう入っていて、S&P500のほうには2年以上入ってこない


5. 売上9割増。なのに株価は、最高値から4割安

ここが、いちばん考えさせられたところだった。

上場してからの株価は、こう動いている。

📉 スペースXの株価
6月12日:上場。公開価格は135ドル。初値はそれを11%上回った
6月16日上場からわずか4日で高値をつける。以後は下げ続ける
7月16日:終値で初めて公開価格を割り、131.11ドル
7月28日:一時107.01ドル。公開価格の2割下
8月4日(決算発表日):終値114.53ドル。最高値から約43%安、公開価格からも約15%安
→ ピーク時からの時価総額の目減りは、約1.2兆ドル(約197兆円)

時価総額が、197兆円ぶん消えている。

そして忘れてはいけないのが、その間に出た決算が売上92%増だったということだ。

会社は倍近く伸びている。なのに株価は、最高値から4割安。

ここに、投資でいちばん間違えやすいものが入っていると思う。

⚖ 「いい会社」と「いい投資先」は、別のものさし
  いい会社かどうか いい投資先かどうか
何で決まるか 事業が伸びているか。稼げるか いくらで買ったか
今回のスペースX 売上+92%、契約数はほぼ倍増 最高値で買っていたら4割安
同じ会社を、別のものさしで測っている。どんなにいい会社でも、高すぎる値段で買えば、いい投資先にはならない
ごまもち
🐾 ごまもち
かいしゃは のびてるのに、かぶは さがるんだ?🐾
あずき
あずき
そうなの。会社がいいかと、値段が高すぎないかは、別の話なんだよね。

では、なぜ下がったのか。調べてみたら、理由はひとつではなかった

🔍 株価が下がった理由は、4つあった
理由 中身
① 値段が高すぎた 高値では時価総額2兆ドル超。会社の中身より、値付けの問題
② これから売れる株が増える 上場時に売れなかった株が、8月6日から売れるようになる(ロックアップ解除)。需給の問題
③ 試験の中止 7月16日、スターシップの打ち上げ試験が中止に
④ 市場全体の地合い 7月末はAI関連が総崩れ。スペースXだけの話ではない

①と②は、会社の将来性とは関係がない。 値付けと需給の話だ。

ここで、②について補足がいる。ロックアップの解除は、まだ起きていない。 8月6日だ。7月の時点では、先の話だった。

それなのに、株価はもう下がっている。7月16日に公開価格を割ったときの報道も「ロックアップ解除への警戒」という書き方だった。

株価は、これから起きると分かっていることを、先に織り込んで動く。 起きてから動くわけではない。この話は、6章でくわしく書く。

④にいたっては、つい先日書いたばかりの話でもある。7月末は市場全体が下げていて、ダウは1日で1,153ドル安。そのダウは、3営業日で最高値まで戻った

もちろん、AI部門の巨額赤字への警戒は実際に指摘されている。③の試験中止も、宇宙事業の進み方への不安といえる。「黄色信号」という読み方が完全に間違いというわけではない

でも、4つのうち少なくとも2つは、会社の中身と関係がない。上場からたった4日でつけた高値は、買いたい人の熱がいちばん高かった瞬間でもある。その熱が冷めた、という部分がかなりある

ごまもち
🐾 ごまもち
下がったから あぶない、じゃないんだね🐾
あずき
あずき
そう。値段が動いた理由は、いつも1つじゃないんだよね。

ちなみに、高値や初日の終値で買った人は、1割から4割前後の含み損を抱えている計算になる。史上最大のIPOでも、飛びついた人が報われるとは限らない


6. ロックアップって何? 初解除は、8月6日

株価の話でもうひとつ、よく出てくる言葉がある。ロックアップだ。

さっきの表の②に出てきたものだ。まだ起きていないのに、すでに株価を動かしている。それがどういうことか、順番に書いていく。

🔒 ロックアップとは
上場する前から株を持っていた人(創業者、社員、投資してきたファンドなど)に、「上場しても、しばらくは売ってはいけません」と約束させておく仕組み
理由は、上場した瞬間にみんなが一斉に売ると、株価が崩れてしまうから
→ つまり、市場に出回る株の数を、しばらく絞っておくためのもの

イメージとしては、ダムの水門が近い。上流にはたくさんの株がたまっている。一気に流すと下流(市場)があふれるので、しばらく閉めておく。

問題は、その水門が開く日だ。

ごまもち
🐾 ごまもち
すいもんが あいたら、かぶが どっと ながれるの?🐾
あずき
あずき
そうなの。それが、8月6日なんだ。
⚠ スペースXのロックアップ解除
初めての解除は2026年8月6日決算発表の2営業日後という設計になっていた
解除の対象は、最大9億1,150万株
そもそも上場時に一般で取引できたのは、発行済みの5%未満という異例の少なさだった

ここが、けっこう大事なところだ。

上場したとき、市場に出回っていた株は5%未満しかなかった。 買いたい人はたくさんいるのに、売り物が少ない。だから値段が上がりやすかった。

つまり株価が高かったのは、会社がすごいからだけではなく、買える株が少なかったからでもある。これを希少性のプレミアムという。

そして8月6日、最大9億1,150万株が売れるようになる。売り物が一気に増えれば、その希少さは薄れる。この記事を書いているのは、その前日だ。

そして5章で見たとおり、株価はもう、この日に向けて動いている。7月に売られたのは、8月6日が来ると分かっていたからだ。

ごまもち
🐾 ごまもち
かいしゃは なにも かわってないのに?🐾
あずき
あずき
そう。売れる人が増えるだけ。それでも値段は動くんだ。

ここは、はっきりさせておきたい。ロックアップの解除は、会社の実力とは何の関係もない。

スターリンクの契約者が減ったわけでも、ロケットが飛ばなくなったわけでもない。ただ、売れる人が増えるだけだ。

それでも株価は動く。株の値段は「会社の良し悪し」だけでなく、「売りたい人と買いたい人の数」でも決まるからだ。

5章で「4つのうち2つは会社の中身と関係がない」と書いたのは、こういうことだった。

そしてもうひとつ。この話は、4章のS&P500ともつながっている

S&P500に入るには、発行済み株式の50%以上が市場で売買できる状態である必要がある。スペースXはまだ5%未満だ。ロックアップが解けていくのは、その条件に近づく一歩でもある。

売り物が増えるのは、目先の株価には重い。でも指数に入るための条件としては、前進になる。同じできごとが、見る角度で逆に見える。


7. 選ばなくても、入ってくる

ここから先は、いつもの結論になる。

わたしはスペースXを選んでいない。宇宙にもAIにも詳しくない。それでも、6月29日から株主になっている

💡 インデックスがやってくれていること
大きく育った会社は、自分で選ばなくても勝手に入ってくる
しぼんでいけば、勝手に比重が減っていく
IPOに飛びつかなくても、育ったころには持っている

これはキオクシアのときにも書いたことだ。あのときも、買わないと決めた会社を、オルカン経由ですでに持っていた。

「参加しない」のではなく、「自分で選ぶゲームには参加しない」だけ。市場全体としては、ちゃんと乗っている。

ただし、その乗り方は指数によって違う。6月に調べたとおりだった。オルカンはもう入っていて、S&P500は2年以上先。両方を持っているから、その差もそのまま引き受けている

どちらが正解かは分からない。ただ、選ばなくていい形にしてあるから、850億円の赤字を見ても、何もしなくてよかった。それで十分だと思っている。


8. まとめ

  • スペースXの上場後はじめての決算は、売上78億1,400万ドル(+92%)、最終損益は5億4,100万ドル(約850億円)の赤字。ただし前年同期の赤字(10億800万ドル)からは半減
  • 赤字が残る理由は、AIのモデル開発とスターシップの研究開発にかかるお金。さらにその外側で設備投資が約184億ドル(約2兆9,000億円)=前年同期の6倍超で、四半期の売上の2倍以上にあたる
  • 中身を見ると、スターリンク(契約1,200万・営業利益16億5,600万ドル)が、AIと宇宙の赤字を養っている構造。通信という地味な商売が、派手な事業を支えている
  • わたしは6月29日から株主になっているオルカンに組み入れられたからで、自分で選んではいない(比率は0.1〜0.2%程度)。6月に予想した「オルカンは6月下旬、QQQは7月上旬」は、どちらも当たっていた(QQQは7月7日)
  • 一方S&P500にはまだ入れない。条件は「直近4四半期の利益合計がプラスかつ直近も黒字」+「浮動株が50%以上」+「上場から12か月」。年間黒字はまだ一度もなく、いまの計算では最短でも2028年後半
  • 株価は公開価格135ドルを割り、8月4日の終値は114.53ドル。最高値から約43%安、公開価格からも約15%安。ピークからの時価総額の目減りは約1.2兆ドル(約197兆円)
  • 売上は92%増。なのに株価は最高値から4割安。ここが大事で、いい会社かどうかは「稼げるか」、いい投資先かどうかは「いくらで買ったか」で決まる。別の話だ
  • 下がった理由は①値付けが高すぎた ②ロックアップ解除への警戒 ③試験中止 ④市場全体の地合いの4つ。①②は会社の中身と関係がない
  • しかも②のロックアップ解除は、8月6日でまだ起きていない。それでも株価はもう下がっている。株価は、これから起きると分かっていることを先に織り込んで動く
  • その8月6日に、最大9億1,150万株が初解除される。ロックアップは「上場してもしばらく売るな」という約束で、上場時に取引できたのは発行済みの5%未満だった。株価が高かったのは、買える株が少なかったからでもある(希少性のプレミアム)
  • ロックアップ解除は会社の実力と無関係。それでも株価は動く。株の値段は「会社の良し悪し」だけでなく「売りたい人と買いたい人の数」でも決まる
  • ただし解除は、S&P500の条件(浮動株50%以上)に近づく一歩でもある。目先の株価には重いが、指数入りには前進。同じできごとが、見る角度で逆に見える
  • 史上最大のIPOでも、高値で飛びついた人は1割〜4割の含み損を抱えている
  • 大きく育った会社は選ばなくても勝手に入ってくるし、しぼめば勝手に減る。IPOに飛びつかなくても、育ったころには持っている
ごまもち
🐾 ごまもち
えらばなくても、もってるんだね🐾
あずき
あずき
そう。ちょっとだけね。だから決算のニュースも、ちょっとだけ自分ごとなんだ。
📚 参考にした情報源 ・決算の内容:日本経済新聞「スペースX初の決算発表、4〜6月9割増収 AI投資で850億円赤字」(2026年8月4日)
・オルカンへの組み入れ:日本経済新聞「スペースX株7%高 『オルカン』組み入れ、指数買いが支え」
・株価の下落:日本経済新聞「スペースX株が公開価格割れ 打ち上げ試験中止、需給不安も強く」Forbes JAPAN「スペースX株、初めて上場時の公開価格135ドル割れ」Bloomberg「スペースX株、IPO価格を2割下回る-時価総額ピークから1.2兆ドル消失」
・ロックアップ解除:日本経済新聞「スペースX、ロックアップ6日にも初解除」Forbes JAPAN(ロックアップ解除と浮動株の解説)
・S&P500の採用条件:Bloomberg「スペースXなど超大型IPO、S&P500採用まで数年待ちも-収益要件が壁に」日本経済新聞「米S&P500、スペースXを早期採用せず 指数会社が基準緩和見送り」
⚠ 免責事項 この記事はあずき個人の見解・体験のシェアであり、特定の銘柄・金融商品への投資を推奨・勧誘するものではありません。記事中の株価・業績・指数の組み入れ状況は2026年8月時点のもので、その後変動します。指数への採用時期の見通しは各種報道にもとづく推測であり、確定した予定ではありません。投資は価格が変動し、元本を割り込む可能性があります。必ずご自身の判断と責任で行ってください。

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