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利上げしたのに円安。利上げしたのに金利が下がった。2日続いた「逆」の理由
ニュース2026-09-18📖 約13分で読めます

利上げしたのに円安。利上げしたのに金利が下がった。2日続いた「逆」の理由

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ごまもち
🐾 ごまもち
きんりを あげたら、えんは たかくなるんじゃ ないの?🐾
あずき
あずき
わたしもそう思ってた。でも今日は、上げたのに円が安くなったの。

今日の昼、日銀(日本の中央銀行。国の金利の元を決めるところ)が政策金利を1.0%から1.25%に上げた。6月以来、3か月ぶりの利上げだ。ところが発表のあと、円は1ドル156円台から157円台へ、円安に動いた。アメリカでも、9月16日の3年ぶりの利上げの翌日に、長期金利(10年ものの国債の金利)が5%を割っている。ニュースを見て、こう思った人もいるはずだ。

😊「利上げしたら、円高になるんじゃないの?」
🤔「金利を上げたのに、金利が下がるって、どういうこと?」
😤「じゃあ利上げって、意味ないの?」
🏠「預金や個人向け国債の金利は、上がるの?」

実は昨日、わたしも同じことを思った。アメリカが利上げしたのに、なぜ長期金利は4%台に下がったのか。クロちゃん(わたしが使っているAI、Claude)に聞いて、数字を出してもらった。今日の日銀でも、利上げしたのに逆に動く、同じことが起きた。

結論から言うと、市場は「発表」ではなく「予想との差」で動く。利上げがありそうだと思った人は、発表を待たずに先に買う。だから利上げそのものは、どちらの国でも、発表の前に円や国債の値段に入っていた。発表の日に動かしたのは、利上げではなく、予想になかった部分だ。今回の場合、それは「反対が2人いた」ことだった。順番に見ていく。


1. 今日、日銀が決めたこと

政策金利は、銀行どうしが1日だけお金を貸し借りするときの金利だ。銀行はこれを元に預金やローンの金利を決めるので、ここが上がると、世の中の金利が全体に上がっていく。

🏦 9月18日の日銀の決定
政策金利 1.0%程度 → 1.25%程度(+0.25%)。適用は次の営業日の9月24日から。5連休をはさむので、決定から適用まで6日あく
投票 賛成7、反対2。反対した2人は「いまの物価の伸びは2%を下回っていて、景気も強いとは言えない」「いま上げるタイミングではない」という理由
ペース 前回は6月。これまではおおむね半年に1回だったので、3か月での利上げは速い
理由 企業の値上げと賃上げが続き、原油高と円安も重なっている。この先、物価が日銀の目標の2%を超えて上がっていくリスクがある
この先 「引き続き政策金利を引き上げ」ていく。ただしいつ、どの速さで上げるかは、景気と物価を見ながら
日本銀行「金融市場調節方針の変更について」(2026年9月18日 11時54分公表)から。3か月ぶりはNHK、「これまではおおむね半年に1回」と「1995年以来31年ぶりの水準」は時事通信の報道

政策金利を決めるのは9人の委員の投票だ。アメリカは12人の投票で12対0だったが、日本は7対2に割れた。この「2」が、今日の主役になる。


2. 利上げしたのに、円安になった

教科書では、金利を上げた国のお金は買われる。預けて増えるお金のほうが欲しがられるからだ。円が買われれば円高になる。ところが今日は逆に動いた。1ドルを買うのに156円で済んでいたのが、157円要るようになった。円の値打ちが下がったので、円安だ。

💴 9月18日、1ドルは何円だったか
時刻
1ドル
できごと
11時45分ごろ
156円17銭
発表の前
11時54分
日銀が利上げを発表
12時45分ごろ
157円13銭
約1円の円安
14時15分ごろ
157円24銭
16時15分ごろ
157円03銭
総裁の会見中
Yahoo Financeの15分ごとの値(日本時間)。クロちゃんに出してもらった

理由は2つある。

1つ目。利上げは、もう値段に入っていた。 今回の利上げは、1週間前から「1.25%へ」と報じられていて、ロイターも「市場の想定通り」と書いている。利上げで円が上がると思う人は、発表を待たずに先に円を買う。みんながそうするので、発表の日には、買いたい人はもう買い終わっている。これが「値段に入っていた」の意味だ。

2つ目。予想になかったのは「反対2人」だった。 市場が知りたかったのは、今日の利上げではなく、次の利上げがいつかだ。9人のうち2人が「いま上げるべきではない」と反対した。それなら次は遠いかもしれない。そう受け取った人が円を売った。中日新聞は「今後の早期利上げ観測が後退して円が売られた」(次の利上げは早い、という見方が弱まった)と伝えている。

1つ目の声への答えは、「利上げで円高になるのは、その利上げが、みんなの予想より大きいか、速いときだ」になる。


3. 前の日のアメリカでも、同じ形が出ていた

2つ目の声、「金利を上げたのに、金利が下がるって、どういうこと?」。これは昨日のアメリカの話だ。

まず、金利には2種類ある。政策金利は中央銀行が決める、今日から明日までの短い金利。長期金利は、10年ものの国債(国がお金を借りるときに出す借用書)の金利だ。国債は市場で毎日売り買いされていて、買いたい人が多ければ金利は下がり、売りたい人が多ければ上がる。決めるのは中央銀行ではなく、売り買いする人たち全員。だから、同じ方向に動くとは限らない。

🇺🇸 アメリカの長期金利は、利上げの前に上がりきっていた
日付
長期金利(米国債10年)
できごと
9月8日
4.81%
9月11日
4.98%
物価の発表。市場の利上げ予想が9割超に
9月16日
5.01%
利上げの発表
9月17日
4.95%
翌日。5%を割る
Yahoo Financeの終値。クロちゃんに出してもらった

長期金利は、発表の前の1週間で4.81%から5.01%へ、0.2%上がっていた。利上げの予想が強まるなかで、市場は先に動いていたわけだ。発表の翌日は、0.06%だけ戻った。

ただし、0.06%はごく小さい幅だ。「5%台から4%台へ」は見出しになるけれど、1日で戻る幅でもある。わたしが見たいのは幅ではなく、順番のほう。上がったのは発表の前で、発表のあとではなかった。


4. 「じゃあ利上げって、意味ないの?」

3つ目の声。意味はある。効き方が、発表の日ではなく、その前に出ているだけだ。

日本の円で見ると分かりやすい。9月2日、日銀の9人の委員のひとり、高田委員が講演で、利上げを「機動的に」(状況しだいで速く)進めると話した。市場には「9月は一度に0.5%上げるかもしれない」という見方まで出て、円は1ドル160円台から156円台へ、2日で約4円の円高になった。9月3日の個人向け国債の記事で書いたとおりだ。まだ何も決まっていないのに、円は先に動いた。利上げの効き目は、このとき出ていた。

その後、予想は「0.25%」に落ち着いた。そして今日、幅は予想どおりの0.25%で、反対が2人。9月の初めに広がった「速く上げる」という見方よりは、弱い結果だった。

💡 2日続けて起きたことを、1枚に
アメリカ 利上げ(予想どおり)→ 長期金利は前の週に上がりきっていた → 翌日、少し戻る
日本 利上げ(予想どおり)→ 円は9月の初めに、利上げの見方だけで先に高くなっていた → 今日は「反対2人」で円安に
共通点 市場を動かしたのは、利上げではなく、予想との差

値段は、発表の前に動き終わっている。


5. 9月3日の宿題、2つの答え合わせ

9月3日の記事で、わたしは自分に宿題を2つ出していた。個人向け国債(国が個人向けに出している、1万円から買える国債)の利率を見ていく記事で、「日銀の会合のあとに、また確かめる」と書いた2点だ。

📝 答え合わせ
宿題① 利上げの幅は0.25か、0.5か
答えは0.25。ただし半年に1回のペースを3か月に縮めた。「幅」ではなく「間隔」で速めた形だ
宿題② 市場の5年金利(5年ものの国債の金利)は2.56%に届くか
まだ届いていない。9月2日が2.33%、会合の前日の9月17日が2.32%。利上げが決まった月なのに、5年金利は9月2日から上がっていない。これも「先に値段に入っていた」の形
5年金利は財務省「国債金利情報」。今日(9月18日)の分は次の営業日に公表される。なぜ2.56%か。個人向け国債の「固定5年」(5年間、利率が変わらないタイプ)の利率は、市場の5年金利から0.05を引いて決まる。そこから税金が約20%引かれる。(2.56−0.05)×0.8≒2.0で、手取りの利率が、わたしが置いている物価の上がり方の前提2%にちょうど並ぶ。並べば、お金の値打ちが目減りしなくなる

4つ目の声、「預金や個人向け国債の金利は、上がるの?」。6月の利上げのときは、三菱UFJ銀行が同じ日に、普通預金の金利を0.3%から0.4%に上げると発表した(実際に上がったのは8月3日)。今回どうなるかは、各銀行の発表を待つことになる。わたしの普通預金はいま0.4%だ。

個人向け国債の利率は、政策金利ではなく、3章で見た市場の国債の金利から決まる。9月募集分の固定5年は2.24%だった。10月募集分の利率は、10月の初めに発表される。


6. わたしの持ち物と、わたしの見方

ごまもち
🐾 ごまもち
じゃあ、はっぴょうの まえに うごけば いいの?🐾
あずき
あずき
それは、みんなの予想の、さらに先を当てるゲームなの。わたしは、そこには入らないの。

わたしは、オルカン(全世界の株に分散する投資信託)とS&P500と、BND(アメリカの債券をまとめて持つ上場投資信託)229口を持っている。オルカンは円で買っていても、中身は外国の株なので、値打ちはドルで決まって円に直される。このドル建ての持ち物を、円高の記事で「ドルの箱」と呼んだ。1ドルが1円動くと、箱は約27万円動く。

今日の約1円の円安で、箱は円で見ると約27万円増えた計算になる。9月9日の記事では、8月末の159円75銭から153円40銭まで6円35銭の円高で、同じ箱が約170万円減っていた。どちらも、わたしは何もしていない。

💡 2日続いた「逆」から、わたしが持ち帰ること、3つ
① ニュースを見てから動いても、値段はもう動き終わっている
利上げは、発表の1〜2週間前に値段に入っていた。発表の日に動かしたのは「反対2人」のような、予想になかった部分
② 「利上げ=円高」「利上げ=長期金利も上がる」は、半分だけ正しい
正しくは「予想より大きいか、速い利上げなら」。今日は、予想より弱いと受け取られて、逆に動いた
③ 当てにいくなら、相手はニュースではなく、ほかの全員の予想
それは、わたしには当てられない。だから、為替も金利も読まない
わたしたちは、第3段階まで来ている。みんなの意見が「みんなの意見」をどう見ているか、それを当てることに知恵を使う段階だ
We have reached the third degree where we devote our intelligences to anticipating what average opinion expects the average opinion to be.
ジョン・メイナード・ケインズ『雇用・利子および貨幣の一般理論』(1936年)第12章

経済学者のケインズが、株式市場を新聞の美人投票にたとえた一節だ。第1段階は、自分が美人だと思う人に入れる。第2段階は、「みんなが選びそうな人」を当てる。でも、みんなも同じことを考えている。だから第3段階では、「みんなが『みんなが選びそう』と思う人」を当てにいく。今日の円は、まさにこれだった。利上げが正しいかどうかではなく、「みんなが次の利上げをどう予想するか」で動いた。

利上げしたのに円安。利上げしたのに金利が下がった。どちらも、わたしには当てられなかったし、当てにいくつもりもない。わたしは、そこには入らない。10月の個人向け国債の利率が出たら、また数字で確かめる。


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7. まとめ

🐾 この記事のまとめ
  • 9月18日、日銀が政策金利を1.0%→1.25%に。6月以来3か月ぶり、賛成7・反対2
  • 発表のあと円は156円台→157円台へ約1円の円安。利上げを見込んだ人は先に円を買い終えていて、予想になかった「反対2人」で次の利上げが遠のいたと受け取られた
  • 前の日のアメリカも同じ形。長期金利は利上げの前の週に4.81%→5.01%と上がりきり、翌日4.95%に戻った
  • 市場は「発表」ではなく「予想との差」で動く。ニュースを見てから動いても、値段は動き終わっている
  • 宿題の答え合わせ。利上げ幅は0.25(間隔を3か月に縮めた)。5年ものの国債の金利は2.32%で、2.56%にはまだ届いていない
  • わたしは為替も金利も読まない。積立は同じ日に同じ額
📚 参考にした情報源 ・日銀の決定:日本銀行「金融市場調節方針の変更について」(2026年9月18日)同 ポイント資料。3か月ぶりはNHK(9月18日)、「1.25%へ」の事前の報道と「おおむね半年に1回」「1995年4月以来、約31年ぶり」は時事通信(9月11日)
・円の動きと理由:ロイター「ドル一時156円後半へ上昇、日銀が利上げ決定 2人が反対」(Yahoo!ファイナンス、9月18日)中日新聞「東京円、一時157円台 日銀利上げ後に円相場下落」(9月18日)。15分ごとのドル円はYahoo Finance(JPY=X)
・アメリカの長期金利:Yahoo Finance(^TNX)の終値。利上げ予想9割超は9月17日の記事
・日本の5年金利:財務省「国債金利情報」(9月2日 2.332%、9月17日 2.322%)。2.56%の分かれ目と高田委員の発言、160円台から156円台への円高は9月3日の記事
・普通預金:三菱UFJ銀行「円普通預金金利の改定について」(2026年6月16日)
・ドルの箱1円=約27万円、9月9日の約170万円は9月9日の記事。今日の約27万円はクロちゃん(Claude)に計算してもらった目安で、株価の動きは含まない
・ケインズの言葉:John Maynard Keynes, "The General Theory of Employment, Interest and Money"(1936年)第12章。訳はわたし
⚠ 免責事項 この記事はあずき個人の考えと保有の記録であり、特定の金融商品の売買を推奨・勧誘するものではありません。数字は公表データからClaude(クロちゃん)に計算してもらった目安で、将来の金利・為替・株価を予想するものではありません。投資の判断は、必ずご自身の判断と責任で行ってください。

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