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アメリカの中間選挙って何? ブルーウェーブ? 上院・下院? いろいろ調べてみた
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アメリカの中間選挙って何? ブルーウェーブ? 上院・下院? いろいろ調べてみた

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ごまもち
🐾 ごまもち
ぶるーうぇーぶって、なみのり?🐾
あずき
あずき
わたしも最初、ぜんぜんわからなかったんだよね。

ニュースを見ていて、知らないことばに立ち止まることはないだろうか。

10月31日の日経新聞に「アメリカ中間選挙『ブルーウェーブ』でドル安・金利低下 民主勝利が有力視」という見出しがあった。わたしは、読んでもよく理解できなかった。ブルーウェーブって、何の波? 上院・下院は? 衆議院・参議院のようなものだっけ? 中間選挙って? 予備選のこと? 全部が曖昧だった。

でも、この選挙は11月3日(日本時間では3日の夜から4日にかけて)に行われる。アメリカの株も、ドルも、金利(お金を借りるときの値段)も、結果で動くと言われている。オルカン(世界の株にまとめて投資する商品)やS&P500(アメリカの代表的な500社の株)を持っている人には、関係のある話だ。ことばの意味から、調べてみる。

先に答えを言うと
🗳️「中間選挙って、予備選のこと?」
→ ちがう。予備選は、党の中で候補者を決める選挙で、もう終わっている。中間選挙は、大統領の任期4年のちょうど真ん中にある、議会の選挙だ。大統領は選ばない
🏛️「上院・下院は、衆議院・参議院みたいなもの?」
→ だいたい、そのイメージでいい。下院が衆議院、上院が参議院に近い。ちがうのは、アメリカには解散がないこと。法律は、両方が賛成しないと通らない
🌊「ブルーウェーブって?」
→ 青は民主党の色。民主党が大勝すること。今回は、上院と下院の両方で過半数を取ることを指している。いまは両方とも共和党が多い
💵「なぜ、ドル安・金利低下なの?」
→ 議会を民主党が取ると、共和党のトランプ大統領の減税や支出が通りにくくなる。国の借金が増えにくくなるので、金利は下がりやすい。金利が下がると、ドルで預けたときの利息が減る。ドルを持つうまみが減って、ドルの値打ちも下がりやすい(ドル安)、という見方だ
🐾「わたしは、どうする?」
→ 何も変えない。積み立てを続けるだけだ
順番に見ていく。

1. 中間選挙は、予備選とはちがうの?

まず、「中間選挙」と「予備選」は別のものだ。

予備選は、それぞれの党の中で「だれを、うちの党の候補にするか」を決める選挙だ。今年の予備選は、春から行われてきた。ほとんどの州で、9月中旬までに終わっている。

中間選挙は、大統領の任期4年のちょうど真ん中にある、議会の選挙だ。大統領選挙から2年後にあるので、「中間」と呼ばれる。

大統領は選ばない。選ぶのは、議会の議員だ。今回は、2025年に2期目が始まった、共和党のトランプ大統領の折り返しにあたる。2年間の仕事ぶりに、国民が点数をつける選挙とも言われる。


2. 上院・下院は、衆議院・参議院みたいなもの?

だいたい、そのイメージで合っていた。アメリカの議会は、下院と上院の2つでできている。

🏛️ アメリカの上院・下院と、日本の国会
下院
上院
人数
435人
100人
任期
2年
6年
選び直し
2年ごとに全員
2年ごとに約3分の1
人数の決め方
人口の多い州ほど多い
どの州も2人
解散
ない
ない
日本で近いのは
衆議院(465人・任期4年・解散あり)
参議院(248人・任期6年・3年ごとに半数)
アメリカ合衆国憲法 第1条、総務省「なるほど!選挙」。上院には、大統領が選んだ人(FRB=アメリカの中央銀行の議長や、裁判官など)を認めるかどうかを決める役目もある

下院は、衆議院に近い。人数が多く、任期は2年と短い。2年ごとに全員を選び直すので、そのときの国民の気分が出やすい。

上院は、参議院に近い。2年ごとに、約3分の1ずつを選び直す。

ちがうところもある。アメリカの議会には、解散がない。それから、法律は下院と上院の両方で賛成されないと通らない。

例えると、大統領は会社の社長で、議会は会社のお金の使い道を決める2つの会議に近い。

👔 大統領と議会の関係を、会社に例えると
👔 大統領=社長
やりたいことを決める
↓ 法律の案
🏢 下院=会議その1
435人の多数決
🏢 上院=会議その2
100人の多数決
↓ 両方で「OK」が出て、社長がサインしたら
✅ 法律になる
減税も、お金の使い道も
わたしの整理。社長(大統領)がサインを断ったときは、両方の会議で3分の2の賛成があれば法律になる(合衆国憲法 第1条第7節)

社長がどれだけ「減税したい」「このお金を使いたい」と言っても、2つの会議の両方でOKが出なければ動かない。会議のメンバーは、民主党と共和党に分かれている。だから、どちらの党が多数を取るかが大事になる。


3. ブルーウェーブって?

アメリカでは、民主党は青、共和党は赤がイメージの色だ。昔はテレビ局ごとに色がばらばらだったが、2000年の大統領選挙のころから、この色分けが定着した。

「ウェーブ(波)」は、あちこちで勝って、議席を大きく増やすことを言う。つまりブルーウェーブは、民主党が大勝することだ。共和党が大勝すれば、レッドウェーブと呼ばれる。

トランプ大統領の1期目(2017〜2021年。そのあとの4年はバイデン大統領)にあった中間選挙(2018年)も、ブルーウェーブと呼ばれた。このときは下院だけだったが、民主党は41議席を増やして、下院の過半数を取っている。今回の日経新聞の見出しでは、上院と下院の両方で民主党が過半数を取ることを指している。

いまの議会は、上院も下院も共和党が多い。

🔢 いまの議席と、今回選ぶ数
共和党
民主党
過半数
今回選ぶ
下院
218
214
218
435(全部)
上院
53
47
51
35
下院は無所属1人・欠員2人がいる(アメリカ下院の公式サイト)。上院の民主党47には、民主党と組む無所属2人を入れた。副大統領は上院の議長も兼ねていて、50対50に分かれたときだけ1票を入れる。いまの副大統領は共和党のバンス氏なので、民主党には51議席が要る。上院の35は、ふだんの選び直し33と、空いた席を埋める選挙2つ(オハイオ州・フロリダ州)。上院の数は、選挙の予想をまとめるアメリカのサイト270toWin(10月23日)

民主党は、上院で4議席を増やせば過半数になる。下院は、数議席の差だ。

わたしは、なんとなく、トランプさんは劣勢だけど、あの手この手で頑張っている、というイメージを持っていた。トランプ大統領は今回の選挙に出ていないけれど、1章で書いたとおり、中間選挙は大統領とその党(共和党)への点数のように見られている。

このイメージが合っているのか、「劣勢」と「あの手この手」の2つに分けて、確かめてみる。

まず、「劣勢」は本当なのか。NPR(アメリカの公共ラジオ)によると、トランプ大統領の支持率は、世論調査の平均で37%だ。中間選挙の前としては、この50年でいちばん低い水準に並ぶ。それに、戦後の中間選挙20回のうち18回で、大統領の党は下院の議席を減らしてきた。減った数は、平均で26議席だ。

選挙の結果にお金をかけて当てる市場(予測市場)もある。

📊 予測市場では、どう見られている?
両院とも民主党70.5%上院は共和、下院は民主23.5%両院とも共和党5.5%
予測市場ポリマーケットの値段(10月31日、日本時間の夜)。当たれば1ドルもらえる券の値段で、70.5セントなら「70.5%の見込み」と読む。上院は民主党、下院は共和党、という組み合わせは0.6%。予想であって、結果ではない

予測市場では、両院とも民主党が取る、という見込みが約7割ある。日経新聞の「民主勝利が有力視」とも重なる数字だ。数字で見ても、劣勢というのは、イメージだけではなさそうだ。

予測市場は、最近よく目にする。わたしは、世論調査より、なんだかリアルに感じていた。少し寄り道をして、調べてみた。

☕ ちょっと寄り道:予測市場って、なに?
なぜ、最近よく見るの?
100年ほど前のアメリカでは、ニューヨークを中心に、大統領選の賭けがさかんだった。選挙の前の1か月は、新聞が週に5日、賭けの倍率を載せていたほどだ。ただ、法律ではっきり認められた賭けではなかった。1930年代の後半から世論調査が広まり、違法な賭けの取り締まりも強まって、1940年代の終わりには、ほとんど消えた。
そのあと、アメリカの国が認めたのは、大学の研究用など、かける金額に上限のある小さな市場だけだった。2023年には、取引所を監督する国の役所が、選挙の取引を「賭け事にあたる」として認めなかった。それを2024年の裁判がくつがえし、国が認めた取引所で、選挙の結果を取引できるようになった。
今回の中間選挙は「はじめての予測市場の選挙」とも呼ばれている。中間選挙にからむ取引は、10月下旬までに14億ドル(約2,200億円)を超えた。CNNも、予測市場の会社と組んでいる。
なんでも賭けにする文化なの?
アメリカの選挙の賭けの始まりは、もっと古い。1820年代には、負けた人が、勝った人を手押し車に乗せて通りを運ぶ、という賭けもあった。イギリスやアイルランドの賭け屋も、選挙の賭けを受けている。日本では、お金を賭けられるのは、競馬や宝くじのように、法律で認められたものだけだ。
世論調査より、リアルなの?
自分のお金がかかるので、本気の予想が集まる、と言われる。1884〜1940年の大統領選で、投票の3週間ほど前(10月半ば)に、賭けの本命がはっきりしていたのは12回。そのうち11回で、本命の候補が勝っている。まだ、信頼できる世論調査がほとんどない時代の話だ。
でも、賭けなので当然外れることもある。2016年には、イギリスやアイルランドの賭け屋で、アメリカ大統領選の前日に、民主党のクリントン氏の勝ちが83%と見られていた。イギリスのEU離脱を決める投票の日にも、賭けの倍率で残留が88%と見られていて、どちらも外れた。それに、予測市場で取引する人の多くは、お金を減らしている。
CNN(9月24日・10月23日)、The Economist(2016年1月2日、経済学者ローデとストランフの研究から)、CNBC(2016年6月23日・11月7日)をもとにまとめた。円は1ドル157.5円で計算

話を戻して、「あの手この手」は、どんな手なのか。トランプ大統領は「わたしが投票用紙に載っているつもりで投票してほしい」と呼びかけている。

それから、選挙区の線の引き直しがある。下院の議員は、州をいくつかに分けた選挙区から1人ずつ選ばれる。2025年から、トランプ大統領の呼びかけで、共和党の強い州が、この選挙区の線を引き直した。

例えると、同じクラスでも、班の分け方しだいで、多数決の結果が変わるのに近い。

✏️ 同じ9人でも、分け方で結果が変わる
分け方A緑緑黄緑が2班で勝つ分け方B緑黄黄黄が2班で勝つ
緑5人・黄4人の9人を、3人ずつの班に分けて多数決をする例。班が選挙区、班の勝ち負けが下院の1議席にあたる。人数は同じでも、線の引き方で勝つ班の数がひっくり返る

ただ、あの手この手は、共和党の側だけではない。民主党の側も、線を引き直している。カリフォルニア州では、民主党に有利な線を引き直す案が、2025年11月の住民投票で64.4%の賛成で通った。選挙区の線は、ふつうは10年に1度、国勢調査のあとに引き直すものだ。それを、お互いに途中でし合っている形だ。

ここまでのことばを、まとめておく。

📖 この記事に出てくることば
ことば
意味
中間選挙
大統領の任期の真ん中にある、議会の選挙
予備選
党の中で、候補者を決める選挙
下院・上院
アメリカの議会の2つの院。衆議院・参議院に近い
過半数
半分より多いこと。下院は218人、上院は51人
ブルーウェーブ
民主党(青)の大勝。レッドウェーブは共和党(赤)の大勝
予測市場
選挙などの結果にお金をかけて当てる市場
わたしの整理

4. なぜ、選挙でドルや金利が動くの?

ごまもち
🐾 ごまもち
せんきょで、なんでおかねがうごくの?🐾
あずき
あずき
「これから、どんな法律が通りそうか」が変わるからだよ。

お金を動かしているのは、選挙の結果そのものより、「これからどうなりそうか」という予想だ。だから、結果が出る前から動く。

2章の会社の例えで言うと、会議の多数が社長と別の党になると、減税や、国のお金の使い道を増やす法律が通りにくくなる。

国が使うお金を増やすには、国債(国の借金の証書)を出して借りることになる。減税をしても、国に入る税金が減るので、そのぶん借金が増える。国がたくさん借りようとすると、貸してくれる人を集めるために、金利(お金を借りるときの値段)を上げないといけなくなる。借金が増えすぎると、「ちゃんと返せるの?」という心配のぶんの上乗せ(リスクプレミアム)もつく。逆に、借りる量が増えにくくなれば、金利は下がりやすい。

🔗 ブルーウェーブで、ドル安・金利低下と言われる流れ
🌊 民主党が、議会の両方を取る
↓
📜 トランプ大統領の減税や支出の法律が通りにくくなる
↓
🏦 国の借金が増えにくくなる
↓
📉 金利を上げて貸し手を集める必要が減り、金利が下がりやすい
↓
💵 金利が下がると、ドルで預けたときの利息が減る。ドルを持つうまみが減り、ドルの値打ちも下がりやすい(ドル安)
FXStreet(10月21日)などの説明をもとにした、わたしのまとめ

ブルーウェーブで「ドル安・金利低下」と言われるのは、この流れだ。

民主党が勝った場合の株については、AIの話が出てくる。日経新聞は、民主党の中にAIへの投資を抑えたい人たちがいて、規制が強まるのを市場が警戒している、と伝えている。AIは、たくさんのコンピューターを動かすので、電気を大量に使う。NPRによると、アメリカでは、AIが電気代などの光熱費を押し上げていて、AIに反発する人も増えている。AIの会社が多いアメリカの株には、逆風になるという見方だ。

金利については、反対の見方もある。J.P.モルガンのプライベートバンク(お金持ち向けの資産運用の部門)は、どちらが勝っても、アメリカの借金が増えていく大きな流れは変わらない、と見ている。借金でまかなう支出が増えれば、10年国債のような長い期間の金利は、むしろ上がりうるという。

実際に、この1か月で何が動いたのかも見ておく。

📅 この1か月で、実際に動いたもの
9月30日
10月30日
アメリカの10年国債の金利
5.29%
4.93%
ドルの強さ(ドル指数)
101.5
102.0
S&P500
7,652
7,580
円(1ドル)
157.4円
157.5円
Yahoo Financeの、その日の最後の値段(終値)。ドル指数と円は、ニューヨークの夕方の値。ドル指数は、ユーロや円など主な通貨に比べたドルの強さで、大きいほどドル高。円は、数字が大きいほど円安・ドル高。動いた理由は選挙だけではない

金利は、この1か月で下がった。でも、ドルはほとんど動いていない。見出しのとおりに、全部が動いているわけではない。


5. 過去の中間選挙のあと、株はどうだった?

結局、中間選挙は株にとってどうなのか。過去のデータで数えてみた。

中間選挙の年の10月末から、1年後の10月末までに、アメリカの株(S&P500)がどれだけ上がったかを並べる。

📈 中間選挙のあとの1年、株はどうだった?
0%10%20%30%40%194619541966198619942006201020182022共和党の大統領のとき、民主党が下院を取った年(1954・2006・2018)民主党の大統領のとき、共和党が下院を取った年(1946・1994・2010・2022)中間選挙ではない年の、同じ1年間の平均(7.0%)
S&P500の値段(配当は入れない。配当は、会社が株主に配るお金)の、中間選挙の年の10月末から翌年10月末までの上がり方。緑の棒は、下院の多数派が変わらなかった中間選挙の年。Yahoo Financeの日々の終値から計算した。中間選挙ではない年(1946〜2024年の59回)は、16回がマイナス。1930〜1942年の4回も入れると24回中22回がプラスで、マイナスは大恐慌の1930年(38.4%下落)と1938年(2.6%下落)

戦後の20回は、全部プラスだった。平均は16.0%で、中間選挙ではない年の同じ1年間(平均7.0%)を大きく上回る。

青は、民主党が下院を取った1954年、2006年、2018年だ。1954年と2006年は、共和党の大統領のときに、民主党が上院と下院の両方を取っている。今回の見込みと、同じ形だ。そのあとの1年も、株は33.6%と12.4%上がった。赤は、共和党が下院を取った1946年、1994年、2010年、2022年だ。こちらも、4回ともプラスだった。

なぜ、選挙のあとに株が上がりやすいのか。理由ははっきりしないが、よく言われるのは「わからない」が消えることだ。選挙の前は、どちらが勝つかわからないので、株は上がりにくい。実際に、中間選挙の年の1月から10月までの株は、平均するとほぼ横ばいだった。

それでも、これは約束ではない。大恐慌の1930年まで戻ると、選挙のあとに4割近く下がった年もある。


6. わたしの持ち物では?

最後に、わたしの持ち物で考えてみる。先に、ことばを説明しておく。NISAは、もうけに税金がかからない口座。iDeCoは、自分で作る年金。積み立ては、毎月決まった額を買い続けること。BNDは、アメリカの債券(国や会社の借金の証書)をまとめて持つETF(株のように売り買いできる投資信託)だ。口は、ETFを数える単位だ。

🐾 わたしの持ち物と、選挙の関係
持っているもの
選挙で効きそうなこと
オルカン(NISAで積み立て)
中身の多くがアメリカの株。ドル安になると、円に直した金額は少し減る
S&P500(NISAで保有、iDeCoで積み立て)
AIへの規制の話などで、株は揺れるかもしれない
BND(230口)
金利が下がると、値段は上がる
わたしの整理

ドル安になると、同じ1ドルが、円に直すと少なくなる。BNDのような債券の値段は、金利とシーソーのように逆に動く。新しく出る債券の金利が低くなると、前から出ている金利の高い債券が人気になって、そのぶん値上がりする。

プラスとマイナスが少しずつ出る。わたしは、選挙で何も変えない。オルカンの積み立ても、iDeCoのS&P500も続ける。BNDも、そのまま持ち続ける。

選挙の結果は、11月4日の日本時間の朝から出はじめる。結果が出たら、この記事に追記する。

英語の原文では
Democracy is the worst form of Government except all those other forms that have been tried from time to time.
日本語にすると
民主主義は、最悪の政治のしくみだ。ただし、これまで試されたほかのしくみは、どれももっとひどかった
ウィンストン・チャーチル、イギリス議会での演説(1947年11月11日)

イギリスの首相、ウィンストン・チャーチルのことばだ。チャーチルは、第二次世界大戦でイギリスを率いた。でも、ドイツが降伏して2か月後、1945年7月の選挙で、チャーチルの党は大敗した。

その2年後の1947年、チャーチルはイギリスの議会で、このことばを紹介した。実は、チャーチルが考えたことばではない。「こういう言い方がある」と前置きしてから話している。

このとき議会で話し合っていたのは、1945年の選挙でチャーチルの党を破った、労働党の政府が出した法案だ。議会のもう一つの院(貴族院)が、法律に「待った」をかけられる期間を短くする内容だ。チャーチルは、貴族院の「待った」には、政府が法律を急いで通す前に、国民の考えが固まるのを待つ時間をつくる役目がある、と考えていた。だから、それを短くすることに反対した。

チャーチルは、この格言のすぐあとに、こう続けている。

国民が治めるべきだ。それも、ずっと治め続けるべきだ。

格言だけを読むと、「ほかよりはまし」という、皮肉まじりの冗談にも見える。でも、チャーチルが言いたかったのは、欠点だらけでも、国民がくり返し選び直せるしくみを手放してはいけない、ということだ。同じ演説で、チャーチルはアメリカの憲法を、権力どうしがおさえ合い、国民にたびたび問い直すしくみとして、ほめている。2年ごとの中間選挙は、まさにそのしくみだ。

選挙は、ときに予想を裏切る。戦争に勝ったチャーチルも、選挙で負けた。それでも、2年ごとに選び直せるしくみがある。だから、11月3日がどちらに転んでも、わたしは、いつもどおり積み立てを続ける。

ごまもち
🐾 ごまもち
あずきは、どっちに、とうひょうするの?🐾
あずき
あずき
わたしは、投票できないんだよ。日本人だからね。

7. まとめ

🐾 この記事のまとめ
  • 中間選挙は、大統領の任期4年の真ん中にある議会の選挙。予備選は党の候補者を決める選挙で、もう終わっている
  • 下院は衆議院、上院は参議院に近い。ただ、アメリカに解散はなく、法律は両方の賛成がないと通らない
  • ブルーウェーブは、民主党(青)の大勝のこと。今回は両院の過半数を取ることを指し、予測市場では、その見込みが約7割
  • 議会を民主党が取ると、大統領の減税や支出が通りにくくなり、金利は下がりやすいと言われる。ただ、見方は割れている
  • 戦後の中間選挙のあと、アメリカの株は1年で20回とも上がっていた。民主党が下院を取った年もプラスだった
  • わたしは、選挙で何も変えない。結果が出たら、この記事に追記する
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📚 参考にした情報源 ・きっかけのニュース:日本経済新聞「アメリカ中間選挙『ブルーウェーブ』でドル安・金利低下 民主勝利が有力視」(10月31日)
・議会のしくみ:アメリカ国立公文書館「The Constitution of the United States」、総務省「なるほど!選挙 国会議員の選挙」
・いまの議席・予備選:アメリカ下院 Office of the Clerk、270toWin「Consensus 2026 Senate Forecast」(10月23日)、VOTE411「2026 Primary Elections」、NPR「2026 midterms Senate map」(10月30日)
・過去の中間選挙・支持率:NPR(10月6日)、NPR/PBS News/Marist の世論調査(10月27日)、アメリカ下院 History, Art & Archives「Party Divisions」
・青と赤の由来:Mental Floss「Where Did the Idea of Red States and Blue States Come From?」
・選挙区の引き直し:カリフォルニア州務長官「Statement of Vote」(2025年11月4日の特別選挙)
・予測市場:Polymarket「Balance of Power: 2026 Midterms」、CNN(9月24日)、CNN(10月23日)
・選挙の取引を認めなかった国の判断:アメリカ商品先物取引委員会(CFTC)「CFTC Disapproves KalshiEX LLC's Congressional Control Contracts」(2023年9月22日)
・選挙の賭けの歴史:The Economist「Prediction 2016」(2016年1月2日号)、Rhode & Strumpf「Historical Presidential Betting Markets」(Journal of Economic Perspectives、2004年)、CNBC(2016年6月23日)、CNBC(2016年11月7日)、刑法 第185条(e-Gov法令検索)
・市場の見方:FXStreet(10月21日)、J.P. Morgan Private Bank(10月19日)、Saxo(10月9日)
・株・金利・ドルの値段:Yahoo Finance
・格言:イギリス下院の議事録 Hansard「Parliament Bill」(1947年11月11日、チャーチルの演説)、1945年の総選挙はイギリス下院図書館「UK Election Statistics: 1918-2023」
⚠ 免責事項 この記事はあずき個人の考えと記録です。特定の銘柄や金融商品の売買、選挙の結果や相場の動きについての予想をすすめるものではありません。特定の政党や候補者を応援するものでもありません。

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