いつか十勝に帰る日のために——34歳・東京フリーランスがいま考えていること【十勝計画①】
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最近、ふとした瞬間に「東京に住んでいる理由って、もうあまり残っていないな」と思うことが増えた。
これまでの記事でも何度か触れてきたけれど、わたしには いつか北海道の十勝に帰るかもしれない という考えがある。両親が暮らす実家のある町だ。まだ何も決まっていない。引っ越しの予定も、仕事のあてもない。でも、考え始めているのは確かで、その「考え始めた段階」の気持ちを、ここに記録しておきたいと思った。
これは、わたしの十勝Uターンを記録していく連載の1回目になる。決まったことだけを書くのではなく、迷っている過程・調べたこと・両親との会話まで、進行形で残していくつもり。同じように地方への移住やUターンを考えている人にとって、何かの参考になればうれしい。
なぜ今、十勝のことを考えるのか
いちばん大きいのは、両親の年齢 だ。
父は74歳、母は71歳(父と母は3つ違い)。十勝で二人暮らしをしている。二人とも腰や膝にいろいろ問題を抱えてはいるけれど、まだまだ元気だ。母は毎日きちんとごはんを作っているし、父は毎日パークゴルフに温泉、サウナと忙しくしている。今すぐどうこう、という話ではない。
でも「今すぐではない」と「ずっと大丈夫」は違う。あと何年、二人がいまのように暮らせるんだろう、と考えると、答えは誰にもわからない。札幌には兄がいるけれど、兄は義理の両親と二世帯のような暮らしをしていて、十勝の両親に何かあれば「札幌に呼び寄せて面倒をみる」という形になりそうだ(独身女性の老後資金の記事 でも少し書いた)。
それは両親にとって本当に幸せなんだろうか、とずっと考えている。住み慣れた十勝で、慣れた家で、できるだけ長く暮らしてほしい。わたしが十勝に帰れば、その選択肢を作れるかもしれない。
東京に住む理由が、減ってきた
もうひとつは、わたし自身の側の事情だ。
正直に書くと、いまのわたしにとって東京に住む理由は 「仕事」と「友人との付き合い」くらい しか残っていない。一度結婚して離婚を経験して、今は独り身。東京に親戚がいるわけでもない。仕事以外の場面で、東京という街に強い魅力を感じることは、実はもうあまりない。
サイドFIREのデメリット記事 でも書いたけれど、フリーランスになってから、毎日決まったオフィスに通うこともなくなった。日中の時間の使い方は、かなり自由になっている。
それでも東京を離れられないのは、お客様が都内中心で、撮影も打ち合わせもほとんど東京で行われるから。仕事の重力で、東京につなぎ留められている感覚が近い。
逆に言えば、この「仕事の重力」をどうにかできれば、東京にいる必然性はかなり薄くなる。
まだ何も決まっていない、というのが現在地
ここまで書くと「もう帰る気なんだな」と思われそうだけれど、実際はそうでもない。本当に、何も決まっていない。
決まっていないことを並べると、こうなる。
最後の「両親にちゃんと話していない」が、自分でも少し情けないところだ。頭の中で勝手にプランを動かしているだけで、肝心の両親には「帰ろうかな」と本気で伝えたことがない。きっと、口に出した瞬間にいろいろなことが現実になるのが、まだ少しこわいんだと思う。
お金の話——「帰れる」状態は、もう作れている
決まっていないことだらけだけれど、ひとつだけ言えるのは、お金の面では「帰ろうと思えば帰れる」状態はもう作れている ということ。
2026年4月にサイドFIREを達成して、資産は約5,500万円。配当金 も毎月少しずつ入ってくる。東京で月15万円ほどの生活費でやってきたけれど、十勝に帰れば、この数字はかなり変わる。
正直に書いてしまうと、十勝には 強力すぎるバックアップ がある。
- 住まい: 実家がある
- 食事: 母が毎日ごはんを作っている
- 車: 家に2台あって、1台はほとんど使われていない
これを全部あてにすると、十勝での生活コストは東京とは比べものにならないくらい下がる。資産をうまく運用しながら、最低限の稼ぎがあれば生きていける——という、ちょっと パラサイト(寄生)的な発想 が、正直、頭の片隅にある。
書いていて少し気が引ける。34歳にもなって実家に寄りかかる前提でプランを立てるのは、どうなんだろう、という後ろめたさはある。
ただ、その代わりというわけではないけれど、帰ったら両親の身の回りの世話はするつもりでいる。買い物、病院の送り迎え、家のこまごましたこと。お互いに支え合えるなら、それは寄生ではなく同居なのかな、と自分に言い聞かせているところもある。このあたりの気持ちは、まだうまく整理できていない。
仕事の話——リモート化と、十勝での求職
お金のベースがあるとはいえ、まったく働かないつもりはない。むしろ、今のサイドFIREをもう少しゆるくした形で、週3日くらい働けたらいい と思っている。
仕事については、2つの方向で考えている。
① 今の仕事を、一部リモートで続ける
映像プロデューサーの仕事のうち、撮影や対面の打ち合わせは東京を離れると難しい。でも 編集まわりやサポート的な業務は、十勝からでもできる部分がある。
ただ現実的に見積もると、リモートで続けられるぶんの収入は 月5〜10万円くらい、月によってはゼロ という感覚。今の仕事をそのまま全部持っていける、という甘い話ではない。
② 十勝で、新しい仕事を探す
もうひとつは、地元で新しく何かできないか、ということ。実は 「ビズロケ」という十勝の求人サイト を、最近ちょこちょこ見ている。先日は東京で開かれた十勝の出張就職説明会にも足を運んで、情報収集をしてきた。
説明会では、思っていたより前向きで、ためになる情報を得ることができた。詳しくはこの連載の別の回で書こうと思っているけれど、「十勝で働く」というのが、ぼんやりした想像から少しだけ具体的な像に変わった日だった。
フルタイムでがっつり、ではなく、資産収入をベースにしながら、週3日くらい地元で働く。そんな働き方ができたら理想だな、と今は思っている。
時間軸は「1〜3年」くらいの肌感
いつ帰るのか。これも決まっていないけれど、肌感としては 1〜3年 くらいだと思っている。
5年はちょっと長すぎる気がする。両親の年齢を考えると、元気なうちに一緒に過ごせる時間を、あまり先延ばしにしたくない。かといって「来月帰ります」と言える準備もできていない。仕事の整理、東京の部屋のこと、両親との話し合い——やることはまだいくつもある。
だから、この連載はたぶん、しばらくゆっくり続く。劇的な展開はないかもしれない。「ビズロケで気になる求人を見つけた」「帰省したときに、住むなら目線で町を歩いてみた」「両親に初めてこの話をした」——そういう小さな進みを、ひとつずつ書いていくつもりだ。
何も決まっていない今だからこそ書けることがある気がして、序章としてここに残しておく。
まとめ
- 父74歳・母71歳。十勝で二人暮らしの両親が、いつか十勝に帰ることを考える出発点
- わたしにとって、東京に住む理由は「仕事」と「友人」くらいに減ってきた
- まだ何も決まっていない。時期も、仕事も、両親への相談すらこれから
- お金のベースは作れている。実家・食事・車という強力なバックアップもある(後ろめたさも正直ある)
- 仕事は「今の仕事の一部リモート」+「十勝で週3日くらいの新しい仕事」を考え中
- 時間軸の肌感は1〜3年。これから進行形で記録していく連載のはじまり
次回以降、動きがあるたびに書き継いでいきます。




