フリーランスの老後試算。年金月9万円のリアルと、配当金で備える計画
「フリーランスは厚生年金がないから老後が不安」とよく言われる。たしかに会社員より受け取れる年金は少ない。でも、ぼんやりとした不安のままにしておくのが一番よくないと思っている。金額がわかれば備えられる。今日はわたしの試算を、できるだけ正直に書いてみる。
結論:年金月9万円・配当金は段階的に月30万円まで育てる
まず数字から書くと、
ざっくりこんなイメージで老後を組み立てている。順番に詳しく書いていく。
わたしの年金見込み額は月9万円(65歳受給開始)
「ねんきん定期便」で確認した、わたしの将来の年金見込み額は月約9万円(65歳から受給開始する想定)。内訳はざっくりこんな感じ。
フリーランス転向前に会社員として働いていた期間があるので、その分の厚生年金が地味に乗っている。もしわたしが社会人スタートからずっとフリーランスだったら、国民年金の6.5万円だけになっていたわけで、過去の会社員期間の厚生年金が思ったより効いている。
老後の生活費は「月15万円+α+インフレ」で見ている
老後の生活費は、今と同じ月15万円程度で生活できることを基本に置いている。今の暮らしでも月15万円で十分回っているので、その感覚をベースにする。
ただ、老後はそのままの金額では足りないと思っている。
体力が落ちてくれば、買い物も外食も今と同じようにはいかない。家事代行を使ったり、駅近の便利な場所に住みたくなったり。そういう変化を見越して +5万円のバッファ を見ている。
そしてインフレ。年2%という数字は、日本銀行が物価安定の目標として掲げている水準でもある。実際にはこれより高い年もあるかもしれないし、低い年もあるかもしれないけれど、まずは政策上のベースラインを基準に試算しておくのがフェアだと思っている。長期で見ると2%でも積み重なってそれなりのインパクトになる。
26年後(60歳時点)の生活費を試算してみる
今34歳のわたしが60歳になるのは26年後。年2%のインフレで物価が上がっていくと、今と同じ暮らしをするにも必要な金額はどのくらい変わるのか。試算してみる。
数字にしてみるとなかなかインパクトがある。月15万円の暮らしも、26年後には月25万円が必要になる計算。年間にすると300万円。
これを見ると、配当金が今の月5万円のままだったら全然足りないことがわかる。だからこそ、今のうちにコツコツ育てて段階的に増やしていく必要がある。次のセクションでロードマップを書いてみる。
配当金のロードマップ。40歳・50歳・65歳のイメージ
老後の中心になるのが配当金。今34歳で月5万円程度の配当金を、これからどう育てていくか。ロードマップとして書いてみる。
ポイントは、50歳で新規購入をストップすること。そこから65歳までは、すでにあるポートフォリオが増配と配当再投資だけで自然に育っていくことを期待している。
50歳〜65歳の15年で月20万→30万(1.5倍)を実現するために必要な成長率は 年約2.7%。これは日本高配当株の平均的な増配率+再投資の効果で十分達成できる範囲だと思っている。むしろ条件が整えば、もう少し上振れする可能性もある。
ちなみに、34歳から40歳までの6年で月5万→10万(2倍)にするのは、わたしのプランの中では一番ハードな部分。ここは新規投資をしっかり積み増していく必要がある。逆にここを乗り越えれば、その後はぐっと楽になる絵だ。
もうひとつのプラン。40歳で実家に帰るという選択肢
もうひとつ、頭の中に置いている選択肢がある。
40歳で配当金月10万円を達成できたら、実家に帰って両親と暮らすというプラン。実家で生活すれば月々の生活費はぐっと抑えられるし、配当金月10万円があれば最低限の生活費はまかなえる。
そうなれば、ゆるく働きながら、投資ペースを少し落として暮らすという選択肢も出てくる。両親と過ごせる時間も増えるし、東京で必死に働き続ける必要もなくなる。
もちろん、絶対にこの道を選ぶと決めているわけではない。でも「こういう選択肢がある」と自分のなかに持っているだけで、心がぐっと楽になる。サイドFIREの本質は、こうやって「選べる自由」を増やしていくことなんだと思っている。
実家に帰るプランは選択肢のひとつとして置いておくとして、話をベースの計画に戻すと、このまま順調に積み上げていければ、65歳以降は
- 配当金で月30万円 → インフレ後の生活費を十分まかなえる
- 年金月9万円 → プラスアルファ
- インデックス → 必要なときに必要なだけ取り崩し
という構造ができる。配当金が基礎生活費を支えてくれるなら、年金は完全にボーナス扱いになる。これはわたしのなかでかなり安心感のある絵だ。
詳しい出口戦略は高配当株の出口戦略。わたしは「売らない」を基本にしているにも書いている。
「ぼんやり不安」を「数字」に変える
ここで一番伝えたいのは、フリーランスの老後不安への向き合い方。
「年金が少ないから不安」「老後どうなるかわからない」。こういうぼんやりした不安のままにしておくと、目的を見失ったまま日々が過ぎてしまう。気持ちだけが消耗していく。
でも、不安の原因を数字で明らかにすると、それは「備えるべき金額」に変わる。
知らないままが一番怖い。知っていれば備えられる。これは生活防衛資金の話とも通じるけれど、「見える化」できるかどうかで安心感がぜんぜん違う。
国民年金基金・iDeCoはどうしてる?
「フリーランスの老後対策」というと、国民年金基金とiDeCoがよく登場する。わたしのスタンスを書いておくと、
- 国民年金基金:使っていない。配当金とインデックスで備えるので、必要ないと判断
- iDeCo:企業型DCから移管した金額のみ。新規拠出はしていない
iDeCoは老後まで引き出せないという制約があるので、まずはNISAを満額使い切ることを優先している。NISAが満額になったら、iDeCoの追加拠出を検討するかもしれない、というイメージだ。
「制度をたくさん使えばいい」のではなく、自分にとって優先順位の高いものから順に使うようにしている。
50歳までに「余裕のある暮らしの土台」を整えたい
最終的な目標としては、50歳までに余裕のある暮らしの土台を整えたいと思っている。具体的な数字でいうと、
書いてみると大きな数字に見えるけれど、今の延長線上で達成できる範囲だと思っている。これ以上は必要ない、というのが正直な気持ち。「もっともっと」となりすぎるとキリがないし、お金は目的ではなく手段だと思っている。自由な選択ができるくらいの余裕があれば、それで十分。
今より少し仕事をセーブして、好きな時間を増やしながら、配当金でゆるやかに支える。そんな未来を、今のわたしはコツコツ準備しているところだ。
- わたしの年金見込みは月約9万円(国民年金6.5万円+会社員時代の厚生年金2.5万円・65歳受給開始想定)
- 老後の生活費は月15万円+5万円のバッファ+インフレ年2%で見込んでいる。26年後(60歳時点)には月25〜33万円必要になる試算
- 配当金ロードマップ:34歳5万→40歳10万→50歳20万(新規購入ストップ)→65歳30万。50歳以降は増配+再投資だけで成長
- もうひとつのプラン:40歳で月10万円達成できたら実家に帰って両親と暮らす選択肢も。「選べる自由」を増やすことがサイドFIREの本質
- 配当金で基礎生活費・年金はプラスアルファ・インデックスは必要なときに使う構造を目指す
- 「ぼんやり不安」を「数字」に変えると、不安が「備えるべき課題」に変わる
- 国民年金基金は使わない。iDeCoは移管分のみ、まずはNISA満額が優先
- 50歳までに資産1億・年間配当200万円を目標に。これ以上は必要なく、自由な選択ができる余裕があれば十分




