円安が止まらない。わたしの資産、円だけで大丈夫?リスクを整理してみた
円安が止まらない。2026年もドル円は150円前後で推移していて、輸入品も海外旅行もじわじわ高くなっている。
そんなとき、ふと不安になることはないだろうか。「わたしの資産、ほとんど日本円で持ってるけど、これで大丈夫なんだっけ?」。
わたし自身は、資産の半分以上をオルカン・S&P500・BNDといったドル資産にしている。でも世の中を見渡すと、資産の大半が日本円(とくに円預金) という人はとても多い。そして、「日本に住んでいるし、為替リスクがないから安全」と考えている人もいるようだ。でも本当にそうなのか。今回、改めて 「円だけで持つリスク」 をちゃんと整理してみた。結論から言うと、「円か外貨か」より先に、考えるべき軸がもう1つあった。
1. 「円だけ=安全」という、よくある誤解
まず、多くの人が感じている素朴な感覚から。
円預金は1,000万円が1,000万円のまま。為替で増えも減りもしない。だから安全。
数字だけ見ればその通り。円預金の残高は、為替がどう動こうと変わらない。でもここに落とし穴がある。
「為替リスクがない」ことと「安全」は、イコールではない。円だけで持つと、為替リスクの代わりに 別のリスクを100%引き受ける ことになる。それが インフレ(物価上昇)リスク だ。
- 円預金の金利: 年0.001〜0.2%程度
- 物価上昇: 年2〜3%(2026年も継続中)
つまり、数字は減らないのに、買えるモノは毎年2〜3%ずつ減っていく。これが「見えない目減り」。残高が変わらないから気づきにくいけれど、確実に進んでいる リスクだ。
2. 大事なのは「円か外貨か」より「現金か投資か」
ここで気づいたのが、「円か外貨か」の1軸だけで考えるのは雑すぎる ということ。本当は、もう1つの軸がある。「現金で持つか、投資で持つか」 だ。
この2軸で整理すると、こうなる。
ここで一番のポイント。同じ「円」でも、①円預金と③日本株では、性質がまったく違う。
- ① 円預金: 数字は動かないが、インフレで実質目減り。インフレに一番弱い
- ③ 日本株(高配当株など): 同じ円建てでも、インフレで企業が値上げすれば、売上・利益・配当も伸びうる。だからインフレにある程度ついていける
つまり、「円だけだと危ない」という話の本質は、「円預金だけに偏るのが危ない」 ということ。同じ円でも、株で持っていればインフレへの耐性はかなり変わってくる。
3. 4タイプそれぞれの「強み・弱み」
もう少し具体的に、4タイプを整理する。
こうして並べると、「①円預金だけ」が、実はいちばん偏った持ち方 だとわかる。インフレにも円安にも無防備だからだ。
逆に言えば、①〜④をある程度散らしておけば、どんな経済環境が来てもどれかが効いてくれる。円安が進めば④が伸びるし、株が下がっても①の安心感がある。これが「分散」の本当の意味だと思う。
4. わたしの実際の配置。4タイプにどう散らしているか
では、わたし自身がどう持っているか。4タイプに当てはめるとこうなる。
意図して作ったわけではないけれど、結果的に ①③④に散らばっている(②外貨預金だけ卒業した)。
ポイントは2つ。
- 生活防衛資金(①)は、あえて円の現金のまま。これは「増やすお金」ではなく「いざというときにすぐ動かせる安心」が役割なので、インフレ目減りを承知のうえで円で持っている。守りのお金にリターンは求めない
- 増やすお金は、円(③)とドル(④)の両輪。日本株とオルカン・S&P500・BNDに分けておくと、円安のときはドル資産(④)が伸びて攻めになり、円高のときは円資産(③)が目減りしないぶん全体の下げをやわらげてくれる。どちらに振れても、一方的にやられないようにしている
そもそもわたしは、仕事の報酬など、受け取るのはぜんぶ日本円だ。意識しないと、資産はどんどん円に寄っていく。投資でいうなら、知らないうちに「円」という一つの資産に集中投資している ようなもの。だから資産の一部は、あえてドルにも置いておく。そうすると円への偏りが少しほぐれて、リスクが分散される。為替の上がり下がりも、円とドルに分散させておくと「怖いリスク」というより、お互いに助け合っているような感じになる。
5. 結局、どうすれば正解なの?
「円だけは危ない」と書くと、「じゃあ全部ドルにすればいいの?」と思うかもしれない。でも、それも違う。
理由はシンプル。わたしたちは日本に住んで、日本円で生活している。家賃も食費もごまもちのフードも、ぜんぶ円で払う。生活の基盤が円である以上、資産を全部ドルにすると、今度は円高が来たときに困る(資産が目減りするのに、生活費は円のまま)。
だから答えは 「極端にしない」。
・増やすお金は、円預金だけに偏らせない。日本株(円)+オルカン/S&P500/BND(ドル)で分散
・でも全部ドルにもしない。生活が円である以上、円資産も必要
・要するに、「円預金100%」でも「ドル100%」でもなく、その間でバランスを取る
6. まとめ。「リスクを取らない」もリスク
今回の整理で、自分の中でもスッキリした。
円安が止まらないなかで「わたしの資産、円だけで大丈夫?」という不安に対する答えは、こうだ。
- 「円か外貨か」の前に、「現金か投資か」の軸で見る のが大事
- 同じ円でも、①円預金はインフレに弱く、③日本株はインフレにある程度強い
- いちばん偏っているのは 「円預金だけ」。インフレにも円安にも無防備
- だから、増やすお金は円(日本株)とドル(オルカン・S&P500・BND)の両輪 にする
- ただし 生活防衛資金は円の現金でOK。守りのお金に増やす役割は求めない
- 全部ドルにするのも極端。生活が円なので、円資産も当然必要
「投資は怖いから、全部円預金で安全に」という考えは、一見堅実に見えて、実は インフレと円安のリスクを丸ごと引き受けている。「リスクを取らないこと」も、ひとつのリスク なんだなと、改めて思った。
もちろん、何が正解かは人それぞれ。年齢・家族構成・収入の安定度で、ちょうどいいバランスは変わる。でも少なくとも、「円預金だけ」に全部置いておくのは、思っているほど"安全"ではない。これは知っておいて損はないと思う。
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