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ジャックとジルの話とは?「大学に行くのは収入のため」を複利で考えてみた
投資2026-07-21📖 約10分で読めます

ジャックとジルの話とは?「大学に行くのは収入のため」を複利で考えてみた

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ごまもち
🐾 ごまもち
ジャックと ジルって、だれ? おともだち?🐾
あずき
あずき
投資の世界の有名なたとえ話の主人公だよ。今日はこのふたりと一緒に、早く始めるとどれくらい差がつくのか、計算してみるね。

投資の本やSNSで、ときどき出てくる「ジャックとジル」という話がある。複利の力、とくに「早く始めることの価値」を伝える古典的なたとえ話だ。

今日はまず、この話をちゃんと解説する。そして、この話を自分の数字で遊べるシミュレーターをブログ内に自作したので、それも紹介したい。

さらに後半では、この複利の考え方を使って、よく議論になるテーマを考えてみる。「大学に行くのは収入を上げるため」。それって、数字の上では本当なんだろうか?


1. ジャックとジルの話とは

設定はシンプルだ。同い年のふたりが、同じ年40万円ずつ積立投資をする。ちがうのは「いつ始めて、いつやめるか」だけ。なお、この話は紹介する本や人によって金額がまちまちなので(元の米国版は「年2,000ドル」が定番)、この記事では年40万円に置き換えて計算する。年齢の設定は定番のまま。金額を変えても、勝敗の構造は変わらない。

👧👦 ふたりの設定(年40万円ずつ・65歳時点で比較)
ジル19〜26歳の8年間だけ積み立てて、あとは65歳までほったらかし。元本320万円
ジャック27歳から出遅れてスタート。そのかわり64歳まで38年間積み立て続ける。元本1,520万円

元本はジャックのほうが約5倍多い。ふつうに考えたらジャックの圧勝に見える。ところが、結果はこうなる。

📊 65歳時点の資産(概算)
年利回り
ジル
元本320万円
ジャック
元本1,520万円
7%
約5,700万円
約7,400万円 🏆
10%
約1.9億円 🏆
約1.8億円
毎年はじめに積立・年1回複利・税金や手数料は考慮しない概算。勝敗が入れ替わる分岐点は利回り約8.8%

利回り10%なら、元本が5分の1しかないジルが勝つ。8年分の積立が、39年という長い時間をかけて雪だるまになるからだ。これがこの話の有名なオチで、「早く始めることは、たくさん入金することに匹敵する」という複利の教訓としてよく引用される。

ただ、わたしはこの話のもうひとつの顔も大事だと思っている。表のとおり、利回り7%ならジャックが勝つ。つまりこの勝負、じつは利回りしだいで結果が入れ替わる。「早さ」も「継続」も、どちらか一方が絶対の正解ではない。そして言うまでもなく、いちばん強いのはジルのように早く始めて、ジャックのように長く続けることだ。

ごまもち
🐾 ごまもち
はやく はじめた こが、まけることも あるんだね🐾
あずき
あずき
そうなの。だから「早く始めて、やめない」が最強なんだよ。どっちかじゃなくて、両方。

2. 自分の数字で遊べるシミュレーターを作った

この話、条件を変えるとどうなるんだろう?と気になって、ブログ内にシミュレーターを自作してみた

🧮 ジャックとジルの投資シミュレーター(あずき製・無料)
ふたりの「最初の一括投資額」「年間積立額」「開始・終了年齢」と利回りを自由に変えて、資産推移のグラフと「勝敗が入れ替わる利回り」を確認できます。一括だけ・積立だけ・両方の組み合わせもOK。古典の設定や、このあと登場する「大学に行かないジル vs 大卒のジャック」もワンタップのプリセットで入っていて、利回りのスライダーを動かすと勝敗とグラフがリアルタイムで入れ替わるのが見どころです。
シミュレーターで遊んでみる(無料) →

自分の年齢と積立額を入れてみると、「いま始めた自分」と「10年後に始めた自分」の差も計算できる。ぜひ遊んでみてほしい。


3. 本題。「大学に行くのは収入のため」は本当か

さて、ここからが今日の本題だ。

進路の話でよく聞く意見に、「大学に行くのは、将来の収入を上げるため」というものがある。実際、データの上でも学歴によって生涯賃金には差がある。でも、複利を知ってしまったわたしたちは、こう考えたくなる。「その学費、もし18歳で投資に回したら、どっちが大きくなるの?」

まず、材料になる数字を並べてみる。

🎓 大学4年間の学費の目安(2026年時点・授業料等のみ)
国立大学約243万円
私立文系(今回の計算で使う数字)約410万円
私立理系約550万円
入学金・授業料・施設費等の概算。下宿するなら生活費が別途かかる。医学部など6年制はこの数倍になる
💼 大卒と高卒の生涯賃金の差(60歳まで・額面)
男性(高卒 約2.1億 → 大卒 約2.6億)約5,000万円
女性(高卒 約1.5億 → 大卒 約2.1億)約6,000万円
労働政策研究・研修機構「ユースフル労働統計2024」より。正社員で60歳まで働いた場合の推計(退職金含まず)

生涯賃金の差は、ざっくり5,000万〜6,000万円。学費410万円と比べると、「そりゃ大学に行ったほうが得でしょ」と思える差だ。でも、410万円には複利という魔法をかける時間が47年もある。


4. 対決。大学に行かないジル vs 大卒のジャック

ここからは、記事前半のふたりに「進路」を演じてもらう。設定はこうだ。

⚔️ 進路のちがう、ふたりの投資プラン
ジル大学に行かない。学費になるはずだった410万円を18歳で一括投資し、働きながら28歳まで年40万円を積立。29歳からは追加せず、65歳まで持ち続ける。元本850万円
ジャック大学に行く。410万円は学費に使う。大卒で就職した22歳から65歳まで、ずっと年40万円を積立。元本1,760万円

積み立てた元本は、ジャックのほうが2倍以上多い。65歳時点で勝つのは、どちらか。

📊 65歳時点の資産(概算)
年利回り
ジル
元本850万円
ジャック
元本1,760万円
3%
約3,200万円
約3,600万円 🏆
5%
約7,500万円 🏆
約6,000万円
7%
約1.8億円 🏆
約1.1億円
毎年はじめに投資・年1回複利・税金や手数料は考慮しない概算。勝敗が入れ替わる分岐点は利回り約3.7%シミュレーターのプリセット「大学に行かないジル vs 大卒のジャック」で再現できます

※ただし、この表は「投資のレース」だけの比較。ジャックには、大卒の生涯賃金差(約5,000万〜6,000万円)という"別ポケット"があることを忘れずに読んでほしい。

利回りが年3.7%を超えると、ジルが勝つ。世界株の長期平均に近い5%なら約1,500万円差、7%なら7,000万円以上の差をつけて、元本半分以下のジルの勝ちだ。18歳の410万円と、20代の積立。「早いお金」の威力は、それほど大きい。

ただし、これで「大学はムダ」と結論づけるのは、雑すぎる。さっき注記したとおり、ジャックの給与口座には大卒の賃金差(約5,000万〜6,000万円)がまるごと上乗せされていく。5%のときの差(約1,500万円)はもちろん、7%の差ですら、賃金差の一部を積立に上乗せすれば十分にひっくり返せる範囲だ。投資のレースだけならジルが強い。でも人生の収支は、投資だけでは決まらない。

そしてもうひとつ。この思考実験そのものにも、大事な注意書きがある。

⚠ この比較の「うのみにできない」ところ
生涯賃金の差は「平均」の話。個人がどちら側になるかは、学歴より本人しだいの部分が大きい
47年間、売らずに持ち続けるのは相当むずかしい。暴落も、使いたくなる誘惑も何度も来る。絵に描いた複利どおりにはいかない
国立(約243万円)や奨学金なら、前提の数字がまるごと変わる。「大学=410万円」は選択肢のひとつにすぎない
18歳のジルが「学費分を全額投資+年40万円の積立」をやり切る前提も、現実にはかなりハードルが高い。それができる10代は、そう多くない

5. あずきの考え。この計算が本当に教えてくれること

じゃあ、この思考実験は無意味だったのか。わたしはそうは思わない。この計算が本当に教えてくれるのは、「大学か投資か」の答えではなくて、18歳のお金と時間には、すごく価値があるという事実だと思う。

元本半分以下のジルが勝ててしまうのは、ジルがすごいからではなく、18歳からの47年という時間があるからだ。そしてその時間は、大学に行く人にも行かない人にも、平等に流れている。だから本当の分かれ道は「進学するかどうか」ではない。

  • 大学に行くなら、410万円と4年間を本気で使い倒すこと。出会い、学び、選択肢。収入だけでは測れない価値を、ちゃんと回収しにいく
  • 行かないなら、浮いたお金と時間の計画を持つこと。何もしなければ、410万円の複利も、賃金の差も、どちらも手に入らない

いちばん高くつくのは、大学に行くことでも行かないことでもなく、目的を持たないままどちらかを選ぶことだと思う。

わたし自身は、大学で学んだことがいまの収入に直結しているかと聞かれると、はっきりとは答えられない。でも、あの時間がなければいまの仕事にも、投資を始めた2018年にも、たどり着いていなかった気はする。人生の投資は、リターンの出方が複利よりずっと読みにくい。

そして最後に、ジルの話に戻りたい。ジルの武器は、才能でも入金力でもなく「早さ」だった。これを読んでいるあなたが何歳でも、人生でいちばん若いのは今日だ。18歳の410万円ほどの爆発力はなくても、わたしが26歳で始めた5万円8年で5,800万円の一部になったように、複利は始めた人の味方をしてくれる。

ごまもち
🐾 ごまもち
おもいたったら、すぐ うごくのが いいんだね🐾
あずき
あずき
そう。ジルにはなれなくても、今日始めれば「未来のジャック」にはなれるからね。

まとめ

🐾 この記事のまとめ
  • ジャックとジルの話とは、複利の力を伝えるたとえ話。8年しか積み立てないジル(元本320万)が、38年積み立てたジャック(元本1,520万)に高利回りだと勝ってしまう
  • ただし勝敗は利回りしだいで入れ替わる(この設定の分岐点は約8.8%)。最強は「早く始めて、長く続ける」の両取り
  • 条件を自由に変えられるシミュレーターをブログ内に自作した。自分の数字で試せる
  • 「大学に行くのは収入のため」を検証: 大学に行かず学費410万円を18歳で一括+28歳まで年40万円積立のジル(元本850万)と、大卒22歳から65歳まで年40万円積立のジャック(元本1,760万)を比較。利回り3.7%を超えるとジルが勝ち、5%で約1,500万・7%で7,000万円以上の差がつく
  • ただしジャックには大卒の生涯賃金差(約5,000万〜6,000万)がまるごと残っている。投資のレースだけならジルが強いが、人生の収支は投資だけでは決まらない
  • ただし賃金差は平均の話で、47年持ち続ける難しさ・国立や奨学金の選択肢・大卒側の複利など、うのみにできない注意点も多い
  • この計算の本当の教訓は「18歳のお金と時間には、すごく価値がある」。いちばん高くつくのは、目的を持たないままどちらかを選ぶこと
  • 何歳でも、人生でいちばん若いのは今日。複利は始めた人の味方をする
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ジルの武器は「早さ」でした。オルカン・S&P500の積立も、日本の高配当株も、SBI証券ひとつで始められます。金額は月100円からでも、雪だるまは転がり始めます。わたしが8年使っているメイン口座です。

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⚠ 免責事項 この記事はあずき個人の見解・体験のシェアです。特定の銘柄・金融商品への投資を推奨・勧誘するものではありません。掲載している数字は執筆時点の情報にもとづく概算のシミュレーションで、正確性を保証するものではなく、将来の運用成果を約束するものでもありません。投資は価格が変動し、元本を割り込む可能性があります。進路・教育に関する記述は一般的な統計にもとづくもので、特定の選択を推奨するものではありません。必ずご自身の判断と責任で行ってください。
TAGS#インデックス投資#初心者向け
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