BNDを買い増ししている理由——「守り」というより「気休め」、それでも持ち続けている債券ETF
わたしのポートフォリオで地味に積み上がっている米国ETF、それが BND(Vanguard Total Bond Market ETF) だ。米国の総合債券に幅広く投資する、ヴァンガードの代表的な債券ETFのひとつ。
過去の記事 配当の月別分散 や 高配当株ポートフォリオ でも触れてきたけれど、最近もコツコツ買い増している。今日はその「買い増した理由」と、そもそもなぜBNDなのか、AGG・LQD・HYGとの違い、為替についての考え方までまとめてみる。
先に結論を書くと、わたしにとってBNDは 「守り」というより「気休め」 に近い。それでも持ち続けているし、追加もしている。なぜかは順番に書いていく。
1. はじまりは2019年——SP500全振りが怖くて100万円
BNDを買ったのは2019年ごろ。手持ち800万円のうち700万円をSBI証券に移し、内訳はこうだった。
正直に書くと、当時は 「SP500に全部入れるのは重い気がする」「債券を組み合わせると安定感が増す」 という、本やブログで読んだ知識を鵜呑みにしてBNDを混ぜただけだ。深い投資哲学があったわけじゃない。
それでも、米国債券ETFのなかからBNDを選んだ理由はひとつ。ヴァンガードのファンだから だ。低コスト・愚直・長期投資家向けという思想に共感していて、「ヴァンガードの商品を1個は持っておきたい」というブランドへの信頼感で選んだ。
候補にあったのは AGG・LQD・HYG あたりだったけれど、後述する通り BNDとAGGは中身がほぼ同じ なので、どっちでも良ければヴァンガードを選びたかった——というだけの話だ。
2. BNDのいま——226株、低空飛行+円安で評価+20%
2019年に約100万円分(数十株)から始めて、配当再投資と少額の買い増しを続けて、いま保有株数は 226株。
正直なところ、BND自体の価格はずっと低空飛行 だ。2020年以降の利上げ局面でじわじわ下がり、ここ数年はほぼ横ばい。価格だけ見れば「全然儲かっていない」資産だ。
それでも円建ての評価額が +20% になっているのは、まるごと 円安効果 だ。あとで書くけれど、これがわたしにとって為替を「リスク」ではなく「分散」として捉える理由のひとつでもある。
3. 買い増しの理由——「ドルが余ったから」が一番正直
タイトルでは「買い増した理由」と書いたけれど、いちばん正直な動機はこれだ。
配当でもらったドルが余っているから、そのままBNDを買っている
BNDの分配金は毎月ドルで入ってくる。日本株の配当も使うし円キャッシュも別にあるので、このドルをわざわざ円転する必要はない。
ドルを円に戻すには 為替手数料 がかかる。1ドルあたり数銭〜数十銭の話だけど、塵も積もれば馬鹿にならない。それに、いま円安局面で無理に円転する魅力もない。
それなら そのままドルでBNDを買い増しちゃおう というのが、わたしの買い増しトリガーだ。だいたい 配当2ヶ月分(80ドル前後)で1株買えるペース なので、地味に株数が増えていく。
もちろんBNDという商品自体への評価もある。
- ヴァンガードのETFらしく 経費率0.03% と圧倒的に低い
- 米国債券に幅広く分散されている
- いまの利回りは 購入時より高い水準(価格が下がった分、利回りは上がっている)
- 価格的にも割安感がある(ドル建てで見れば)
ただし、本気で買い増したいかというとそうでもない。いまの最優先はNISA枠を使い切ること で、BNDは特定口座だから後回し。NISAでオルカンとS&P500を埋めきった後で、余力があればBNDも追加で買いたい——というのが今のスタンスだ。
4. BND vs AGG・LQD・HYG——どう違うの?
米国の債券ETFには候補がいくつもある。代表的な4本を比較するとこうなる。
ざっくり整理するとこうなる。
- BNDとAGGはほぼ双子。トラックするインデックスもほぼ同じ(BNDは「Float Adjusted」版という違いはあるが、中身はほぼ重なる)で、経費率も両方0.03%。リターンも構成比もほぼ揃っている。違いは細部だけで、運用会社がヴァンガードかブラックロックか、AAA比率が少し高めなのはBND、出来高が多めなのはAGG——という程度。AUMはどちらも10兆円超え で、どちらを選んでも基本的に正解
- LQDは社債だけ。利回りはやや高いが、国債が入らない分、株式と相関しやすい場面もある
- HYGはハイイールド(ジャンク債)。高利回りだけど信用度が低く、不況時には価格が大きく下がる。「守り」を期待して買うと痛い目に遭うタイプ
わたしが BND を選んだ理由はシンプルで、ヴァンガードのファンだから。中身がほぼ同じなら好きなブランドを応援したい、という気持ちで選んだ。投資の合理性というより、ちょっとした思い入れの話だ。
「これから債券ETFを始めるならどれ?」と聞かれたら、わたしは BNDかAGGの2択 をおすすめする。LQD・HYGは特定の役割(社債の利回りが欲しい、リスクを取りたい)を持って買うものだから、最初の1本にはしない方が無難だと思っている。
5. 為替は「リスク」ではなく「分散」
BNDはドル建ての資産なので、為替変動の影響をモロに受ける。「為替リスクが怖くて米国ETFは買えない」という人もいる。
でもわたしは、為替を「リスク」ではなく「分散」と捉えている。
考え方はシンプルで、わたしの資産はこんな構成になっている。
- 日本株(高配当株): 円建てで結構育っている → 円資産
- インデックス投信(オルカン・S&P500): 円で買っているけど中身は世界・米国株 → 実質ドル資産
- BND(米国債券ETF): ドル建て → ドル資産
- 生活防衛資金300万円: 円預金 → 円資産
つまり、円とドルの両方で資産を持つことになっていて、それは長期で見ればむしろ健全な分散だと思っている。日本円だけで全部持っていたら、円安が進んだときにドル建ての物価上昇に丸ごと負ける。逆に円高に振れたら、ドル資産の評価が下がる代わりに円キャッシュの価値が相対的に上がる。
為替ヘッジ付きの商品もあるけれど、ヘッジには 追加コスト がかかって、長期ではリターンを押し下げてしまう。守りになる代わりに上昇も削るので、わたしは採用していない。
6. PFのなかでBNDが占める割合は1割以下
ここまで書いておいて何だけれど、わたしのポートフォリオで BNDが占める割合は1割以下 だ。
「債券は守りの資産」とよく言われるけれど、1割以下しか持っていないので、ポートフォリオ全体のリスクをガッツリ下げてくれているわけではない。正直に書けば、株式市場が大きく崩れたとき、BNDが1割あったところで全体の下落をほんの少しマイルドにする程度だと思っている。
それでも持っているのは、「全部株式じゃない」という安心感 が欲しいから。これは合理性の話というより、自分の精神衛生の話だ。だから冒頭で書いた通り、「守り」というより「気休め」 がいちばんしっくりくる表現になる。
ETFそのものは中身が分散されているし、コストも安いし、毎月40ドルが入ってくるおまけ付き。気休めとしてはコスパが悪くない、というのが正直な評価だ。
7. これからどうするか
直近でわたしがBNDに対して考えていることは、ざっくり3つだ。
- 基本路線: 配当ドルが貯まったら、そのままBNDを買い増し続ける(月によっては買わない月もある)
- 追加投入の優先順位: NISA枠を埋めきるのが最優先。BNDの本格的な追加買いはその後
- 円高シナリオ: 仮に1ドル130円台まで戻る局面があれば、ドル買いを兼ねてBNDを少しまとめて買う可能性あり(ただし、いまの相場感だとそのタイミングは当面なさそう)
つまり、積極的に増やすつもりもないし、売るつもりもない。あるものを大事にして、入ってきたドルで地味に増やす——というスタンスだ。
サイドFIRE後の今、やたら何かを売り買いしたくなる衝動はあるけれど、結局のところ 「決めたルールを淡々と回す」のがいちばん効く と思っている。BNDも、その淡々さの一部として、これからも持ち続けるつもりだ。
まとめ
最後にこの記事のポイントをまとめておく。
- BNDは2019年に守り目的で約100万円分から開始。いまは 226株・特定口座
- 価格は低空飛行だけど、円安効果もあって評価+20%
- 買い増しトリガーは 「配当ドルが余ったから」。月40ドル前後の分配金、2ヶ月で1株買えるペース
- BNDとAGGは中身ほぼ同じ。LQD(社債)・HYG(ハイイールド)とは性質が違うので最初の1本には不向き
- 為替は「リスク」より 「円とドルの分散」 と捉えている。為替ヘッジはコストの問題で不採用
- PF内シェアは 1割以下。守りというより 気休め に近い立ち位置
- これからも積極追加はせず、配当ドルで地味に積み増しを続ける
債券ETFをこれから始めようと思っている人にとって、なにかの参考になればうれしい。
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