生活防衛資金は300万円——「健康のための備え」だと思っている
「生活防衛資金はいくら必要ですか」とよく聞かれる。一般的には「生活費の3〜6ヶ月分」と言われることが多いけれど、フリーランスのわたしは少し多めに300万円を備えている。金額の決め方、置き場所、何のために備えているのか——順番に書いてみる。
結論:普通預金で300万円
まず結論から。
シンプルだけど、この設計に落ち着くまでにはわたしなりの考え方がある。
なぜ300万円なのか——「200万だと不安、400万だともったいない」
300万円という金額は、ざっくりこんな計算で決めている。
多めに見積もって生活費を月20万円とすると、年間で240万円。それにプラスアルファして300万円——というイメージ。実際の月の生活費は15万円程度だけど、社会保険料や臨時出費もあるので多めに見ている。
なんで300万円かというと、
- 200万だと不安:病気で入院ということになると、心もとない感じがする
- 400万だともったいない:それだけあるなら、半分は投資に回したくなる
- 間をとって300万円
この「ちょうど安心、でも寝かせすぎない」のバランスがわたしにとっての正解だった。人によってこの金額は違うと思う。月の生活費・家族構成・職業の安定度で、しっくりくる金額は変わる。
ちなみに、フリーランス転向前(2023年3月)の生活防衛資金は150万円くらいだった。会社員で収入が安定していたから、これでも問題なかった。フリーランスになって少しずつ増やして、今の300万円に落ち着いたという経緯だ。
なぜ普通預金なのか——「すぐ使えること」を最優先
生活防衛資金の置き場所は、定期預金・国債・個人向け国債・MMF……いろいろ選択肢がある。でもわたしは普通預金一択。
理由はシンプルで、「もしものときにすぐ使えること」を最優先しているから。
定期預金でいいなら、もう少し利回りのつく国債や個人向け国債だって候補に入ってくる。でもそうすると、いざというときに「解約手続きに数日かかる」「ペナルティが発生する」など、流動性が落ちてしまう。
生活防衛資金の役割は増やすことではなく、いつでも引き出せること。そう考えると、株でも債券でも定期預金でもなく、普通預金がいちばんしっくりくる。
ほんの少しの利息より、「いつでも使える」という安心を優先している。
何のための備えか——「健康」が一番
生活防衛資金として何を想定しているかは、人それぞれだと思う。わたしの場合は明確で、健康関係だ。
病気・怪我が一番怖い。健康あっての仕事だし、フリーランスは体が資本。
「長期間収入がない」というケースもあり得るとは思うけれど、そうなったとしても元気さえあればなんとかなると思っている。バイトでもなんでもやれるし、再就職という選択肢もある。だから収入ゼロのリスクには、それほど神経質になっていない。
逆に、動けなくなる事態には備えておきたい。これがわたしの生活防衛資金の本質的な役割だ。
入院経験で気づいたこと——フリーランスは「評価」のリスクもある
実は、過去に1週間ほど入院する手術をしたことがある。病名は伏せるけれど、再発の可能性もあるかもしれない、という診断だった。
そのときは会社員だったから、メールで連絡を取りながら、同僚の協力でなんとか乗り切れた。迷惑はかけたけれど、組織の中にいることのありがたさを感じた経験でもある。
でも、もしフリーランスのときに同じことが起きたら、と想像すると話が変わってくる。
ただの入院では終わらない、評価ダメージまで含めて考える必要があると気づいた。だからこそ、お金の心配だけはしないで治療に専念できる状態をつくっておきたい。生活防衛資金の300万円は、そのためのお守りだと思っている。
投資資金は生活防衛費とは別に積み立てている
もう一つ大事なポイントとして、投資の購入資金は生活防衛資金とは別に積み立てている。
「相場が下がったらまとめて買いたい」というタイミングは、長く投資をしていると何度も訪れる。そのときに生活防衛資金から崩してしまうと、本来の役割が果たせなくなる。だから**「守るお金」と「攻めるお金」は完全に分けて管理**している。
また、ごまもちの医療費に備えたごまもち専用貯金もまた別に積み立てている。役割ごとに財布を分けることで、それぞれの目的が混ざらずに済むのが地味に大事だと思っている。
「使わないお金」を持っている安心感
実際、フリーランスになってから今まで、生活防衛資金には一度も手をつけていない。配当金とフリーランスの収入で、なんとか生活を回せている状態だ。
でも「使っていない」ことに意味がある。
仕事が薄い月でも、住民税の納付月でも、ふとした不安が湧いた瞬間でも、 「いざとなれば300万円ある」 と思えるだけで、心がだいぶ落ち着く。これは投資に向き合うときも同じで、相場が大きく下がっても狼狽売りせずに済むのは、生活防衛資金という土台があるからだと思っている。
逆に言うと、値動きが気になって仕方ない・毎日チェックしないと落ち着かないという人は、投資金額が自分の許容量を超えているサインかもしれない。仕事も手につかないほど気になってしまうのは、本来の投資のあり方ではないと思う。生活防衛資金がしっかりあれば、その分だけ気持ちに余裕が生まれる。自分に合ったバランスを考えてみるのも大事だと思っている。
増やすお金じゃなくて、安心を買うお金。それが、わたしにとっての生活防衛資金300万円。
- 生活防衛資金は300万円を普通預金に置いている。月20万円×12ヶ月+αのイメージで決めた
- 200万だと不安、400万だと投資に回したい——間をとって300万円。フリーランス転向時は150万円から少しずつ増やした
- 普通預金一択。「もしものときにすぐ使える」を最優先。利息より流動性
- 想定する使い時は主に「健康関係」。動けなくなる事態に備える
- 過去の入院経験から、フリーランスは収入ゼロだけでなく「評価ダメージ」のリスクもあると実感
- 投資資金とごまもち専用貯金は生活防衛資金とは別に積み立て。役割ごとに財布を分ける
- 「使わないお金」を持っている安心感が、投資に向き合う土台になっている




