つみたて投資枠に「債券」がやってくる。2026年のNISA改正を調べてみた【2027年1月から】
2026年度(令和8年度)の税制改正で、NISAがまた少し変わる。いくつか改正点があるけれど、わたしがいちばん「おっ」と思ったのは、つみたて投資枠に「債券」が入る ことだ。
BND(米国債券ETF)を地味に持ち続けているわたしとしては、これは気になるニュース。この改正は 2026年3月31日にもう法律として成立していて、施行は2027年1月から(細かい部分は政省令待ち)。今日は2026年7月2日。スタートまで、ちょうど半年 だ。始まってから慌てないように、今のうちに、なにが変わって、自分に関係あるのかまで、見ていく。
1. まず、2026年のNISA改正はこの3つ
ざっくり言うと、今回の改正の柱は3つ。
このうち、あずき的にいちばん語りたいのは ①の債券追加。まずはそこから。②③はそのあと、さらっと触れる。
2. 主役: つみたて枠に「債券」が入る(2027年1月〜)
これまで、つみたて投資枠で積み立てられる投信は、「主に株式に投資するもの」 に限られていた。だから、選べるのはオルカンやS&P500のような 株式のインデックス投信 ばかりだった。
それが今回の改正で、対象の要件が 「主に株式または債券に投資するもの」 に広がる。この「または債券」が、新しく加わった部分だ。つまり、
- 債券が中心の投信(運用資産の50%以上が債券のもの)
- 株式と債券をまぜたバランス型の投信
こういう「値動きがマイルドな選択肢」も、つみたて枠で積み立てられるようになる。
3. なぜ債券が入るのは、うれしいのか
株式だけのつみたて枠に、なぜ債券を足すのか。ねらいはシンプルで、「株はこわい」という人にも、始めやすくするため だ。
株式のインデックスは長期では強いけれど、値動きは大きい。暴落が来ると、初心者ほど「こわくてやめてしまう」。そこで、値動きがゆるやかな債券やバランス型を選べるようにして、続けやすくする という発想だ。
わたし自身、BNDという米国債券ETF を持っている。あの記事で「守りというより気休め」と書いたけれど、"全部株式じゃない"という安心感 は、続けるうえで意外と大事だと思っている。その選択肢が、つみたて枠にも入ってくるのは、いいことだ。
ただし、ひとつ注意。
それと、もうひとつ大事な線引き。「毎月分配型」は、今回もつみたて枠の対象に入らない。理由は HDVが毎月分配になった話 でくわしく書いたけれど、毎月分配はタコ足分配の懸念があって、長期の資産形成には向かないとされているからだ。
4. 補足①: こどもNISAも始まる(2027年1月〜)
もうひとつの目玉が こどもNISA。つみたて投資枠が、0歳〜17歳にも解禁 される。
- 年間60万円 まで、総額600万円 まで
- 非課税期間は 無期限
- 引き出しは12歳以降。ただし 教育費・生活費などの使途に限られ、子ども本人の同意(書類の提出) も必要
- 18歳になると大人のNISAへ移行。積み立てた分は 大人の生涯枠1,800万円に引き継がれる
変わるのは スタートのタイミング。これまで18歳からだった投資が、0歳から始められるようになる。18年ぶん長く運用できて、複利は時間が長いほど効くから、この「早く始められる」は地味に大きい。
教育資金を、非課税で長くコツコツ育てられる箱ができる、というイメージ。子どもや孫のために使いたい人には、大きな改正だ。
わたしには子どもがいないので直接は関係ないけれど、「18年かけて非課税で積み立てられる」 のは、制度としてかなり手厚いと思う。
5. 補足②: 新しい株価指数も仲間入り(読売333・JPXプライム150)
つみたて投資枠の対象は、債券だけでなく 株式のほうでも広がる。日本株の新しい指数、「読売333」と「JPXプライム150」 が対象に加わった。
- 読売333: 国内の主要333社を、ほぼ同じ比率(等ウェート)で持つ、読売新聞社の指数
- JPXプライム150: プライム市場から「稼ぐ力」が高いとされる150社を選んだ指数
さらに「組み合わせ要件」も撤廃され、これらの指数だけに連動するシンプルな投信 も選べるようになる。オルカン・S&P500に、日本株の選択肢が足される、というイメージだ。
そして、「見送られたもの」もある
じつは、金融庁が要望していたのに 今回は採用されなかった 改正もある。それが 「売却枠の当年復活」。売って空いた非課税枠を、翌年ではなく同じ年のうちに使い直せるようにする、という案だ。
ニュースで「枠がすぐ復活する」と見た人がいるかもしれないけれど、これは今回は見送り。ただ、もともとこの話が効いてくるのは 総枠1,800万円を使い切ったあと の入れ替えの場面。多くの人には当面関係ないので、慌てなくて大丈夫 だ。
6. あずきの本音
正直に言うと、今回の改正で わたし自身の買い方は変わらない。
- つみたて枠は、これまでどおりオルカン・S&P500 で埋めるつもり。長期で増やす主軸は、やっぱり株式のインデックス
- 債券(BND)は、いまも特定口座で 持っている。つみたて枠に債券が入っても、わたしのBNDが直接そこで買えるわけではないし、無理に移す気もない
- こどもNISAは対象外。「枠の当年復活」は今回見送りだし、どのみちわたしには関係ない
じゃあ、どうでもいいニュースかというと、そうでもない。「株はこわい」で一歩を踏み出せなかった人に、債券という“ゆるやかな入口”ができる のは、素直にいいことだと思う。投資は、増やすこと以上に 「続けられること」 が大事だからだ。
わたしの結論はこう。自分の主軸は変えない。でも、これから始める人には、選択肢が増えていい改正。
7. じゃあ、わたしたちはどう向き合う?
制度が変わると、つい「なにか動かなきゃ」と焦る。でも大事なのは、「自分はどうするか」を落ち着いて決める こと。立場べつに、わたしなりの向き合い方を書いておく。
要するに、制度が増やしてくれるのは"選択肢"であって、"やるべきこと"ではない。選択肢が増えても、自分の軸(長期・積立・分散)がぶれなければ、慌てて動く必要はない。
8. まとめ
最後に、この記事のポイントを整理する。
- 2026年度の改正で、つみたて投資枠に「債券」が入る(2027年1月〜)。株式一辺倒だった枠に、値動きマイルドな選択肢が加わる
- ねらいは「株はこわい」人にも 続けやすくする こと
- ただし BNDのような海外ETFが買えるわけではない。あくまで債券中心の投信の選択肢が増える
- 同時に こどもNISA(0〜17歳・年60万・総額600万・無期限)も2027年1月から
- つみたて枠の対象には 新しい株価指数(読売333・JPXプライム150) も追加。組み合わせ要件も撤廃
- 金融庁が要望した 「売却枠の当年復活」は今回は見送り(そもそも総枠1,800万を使い切った後の話なので、慌てなくてOK)
- あずきの本音: 自分の主軸(株式インデックス)は変えない。でも、始める人には入口が増えていい改正
制度は、こうして少しずつ「あらゆる世代が使いやすい」方向に育っている。自分に関係あるところだけ、つまみ食いで知っておけば十分だ。
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