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国内初の「森林ファンド」とは?森とお金のつながりを調べてみた
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国内初の「森林ファンド」とは?森とお金のつながりを調べてみた

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ごまもち
🐾 ごまもち
もりの、ふぁんど?🐾
あずき
あずき
森にお金を出して、増やすしくみみたい。

「国内初の森林ファンド」。10月19日の日本経済新聞に、こんな見出しが載った。1,000億円を、日本の森に投じるという。

最初に見出しを読んだとき、わたしは、個人が買える投資商品なのかと思った。同時に、流行りのあやしいもののような匂いもした。

森との接点は、あまりない。でも、自然は大事にしたい。どんな可能性があるのかも気になる。森とお金の話を、調べてみた。

先に答えを言うと
🌲「国内初の森林ファンドって、なに?」
→ 10社を超える企業が、5〜7年で1,000億円くらいを日本の森に投じる計画。国内の森に投資する大型ファンドとしては初めてで、持ち主がばらばらの森をまとめて、お金を生む森にするねらい
🙋「個人も買えるの?」
→ 買えないとみられる。企業や機関投資家がお金を出す、プロ向けの形だ
💴「なぜ今、日本の森に?」
→ 伐りどきの木は多い。でも、持ち主がばらばらで、まとまった手入れがしにくかった。2026年4月の法改正で、森をまとめやすくなった
🚨「あやしい匂いの正体は?」
→ 森や環境をうたう勧誘のトラブルは、実際にある。「話題の森林ファンドに個人も参加できる」という誘いがあったら、疑っていいかも
🔗「わたしたちと森は?」
→ 森林環境税で、1人年1,000円を払っている。オルカン(世界の株にまとめて投資する投資信託)にも、森を持つ会社がほんの少し入っている
🐾「わたしは、どう思う?」
→ 森林ファンドは、わからない部分がまだ多い。それでも、森がお金を生み、守られていく仕組みになればよいと、漠然と期待している
順番に見ていく。

1. 国内初の森林ファンドって、どんなもの?

日経の記事は会員限定で、読めたのは最初の部分だけだった。わかったのは、次のことだ。

  • 投資ファンドのアドバンテッジパートナーズが、早ければ2027年春にファンドをつくる
  • 銀行や商社、ゼネコンなど、10社を超える企業が加わり、5〜7年で1,000億円くらいを投じる
  • 三井住友信託銀行、東京センチュリー、丸紅、三菱UFJ銀行が、参加を話し合っている。大林組や九州電力の名前も出ている
  • ねらいは、民間のお金で森林の権利をまとめて、お金を生む森にすること

日本の森だけに投資する大きなファンドは、これが初めてだそうだ。ただ、くわしい中身は、まだわからない。木を売って稼ぐのか、カーボンクレジット(二酸化炭素を減らしたり、吸ったりした分を、売り買いできるようにしたもの)を売って稼ぐのか。森を持ち主から買い取るのか、持ち主はそのままで、森の手入れや木の販売を任せてもらうのか。詳細はこれからだ。

これまで、日本の会社が森林ファンドにお金を出すときは、ほとんどが海外の森だった。

🌍 日本の会社の森林ファンドは、これまで海外の森
だれが
規模
どこの森
住友林業など10社
約600億円
北米など。2025年12月末までに約9.4万haを取得
王子ホールディングス
約450億円
東南アジア・北米・中南米・アフリカの植林地
双日
約2億ドルが目標
米国の森。木材とカーボンクレジット
住友林業(2023年7月、取得面積は同社の森林ファンドのページで2025年12月末時点)、New Forests(2025年3月、円の金額は時事通信の換算)、EFM(2025年4月)の発表などから。要約はわたし

北米には、森を売り買いする市場や制度が整っている。住友林業のファンドには、住友林業を含む日本の会社10社が加わった。今回の「10社超」と、形がよく似ている。


2. 個人は買えるの?

ごまもち
🐾 ごまもち
わたしも、もりのふぁんど、かえる?🐾
あずき
あずき
ううん、これは会社向けなんだって。

答えは、おそらく「買えない」だ。

日経に名前が出ているのは、銀行や商社などの会社だけ。アドバンテッジパートナーズのふだんのファンドも、お金を出しているのは、年金や銀行、保険会社などの機関投資家だ。

プロ向けのファンドには、法律のしばりもある。今回のファンドがどの形になるかは、まだわからない。ただ、届出だけで運用できる形のファンドは、2015年の法改正(2016年施行)で、一般の個人が原則として出資できなくなった。例外は、株などの資産を1億円以上持ち、証券口座を開いて1年以上たった人など、ごく一部だけだ(金融庁)。

小さな、個人向けの森林ファンドが、なかったわけではない。岡山県の西粟倉村では、2009年に「共有の森ファンド」が1口5万円で募集され、420人から4,940万円が集まった。でも、戻ってきたお金は、出したお金の約78%。元本割れだった(林野庁の委託調査)。


3. なぜ今、日本の森にお金が?

日本は、国土の約3分の2が森だ。森の木の量も、増え続けている。

🌲 日本の森の、木の量
1966年18.9億m³1986年28.6億m³2007年44.3億m³2022年55.6億m³
林野庁「森林資源の現況(2022年3月31日現在)」から。森林簿をもとにした推計。調べ方の見直しがあり、年ごとにきっちりとは比べられない

1966年から2022年で、約2.9倍。毎年およそ6,000万m³ずつ増えていて、国内で使う国産材(2024年に3,481万m³)より多い。戦後に植えた人工林の約6割が、50年をこえて、伐りどきを迎えている。

木は、たくさんある。ただ、売っても、もうかりにくい。木の値段が、大きく下がっているからだ。

🪵 山に立ったままのスギの値段(1m³あたり)
1980年2万2,707円2000年7,794円2013年2,465円2025年4,026円
日本不動産研究所「山林素地及び山元立木価格調」(各年3月末)から。森林・林業白書(2026年6月)の資料より

山に立ったままの木の値段は、持ち主の手取りに近い。スギは、1980年の1m³あたり2万2,707円から、2025年には4,026円。ピークの2割にも届かない。

値段が下がったうえに、持ち主が小さくて、ばらばらなことも、大きな壁になっている。

🧱 日本の森に、お金が入りにくかった理由
壁
中身
持ち主が小さい
1ha以上の山を持つ世帯(69万)の88%は、10ha未満。これとは別に、1ha未満の山を持つ世帯が126万ある
持ち主がわからない
登記簿だけでは、持ち主に連絡がつかない林地が約3割
境目がわからない
土地の境目を確かめる国の調査は、林地では47%しか終わっていない
もうかりにくい
林業会社の平均は、売上1億2,820万円に対して、営業利益279万円
林野庁「令和7年度 森林・林業白書」、林野庁「森林経営管理制度と森林環境譲与税」(国土交通省の2020年度の調査)から。要約はわたし

例えると、持ち主がばらばらの、古い商店街に近い。1軒ずつでは、建て替えも、駐車場づくりもできない。持ち主が遠くに住んでいたり、だれの店かわからなくなっていたりもする。まとめて1つの計画にできれば、ようやく大きな手が打てる、というわけだ。

では、なぜ今なのか。ここからは、わたしの見方も入る。変わり始めたことが、2つある。

1つめは、法律だ。2026年4月に、森林経営管理法が変わった。地域で森をまとめる計画をつくりやすくなり、共有の森の間伐などに必要な同意も、「全員」から「持ち分の2分の1をこえる人」に。持ち主がわからない森の手続きも、6か月から2か月に短くなった。

2つめは、J-クレジットだ。1章で出てきたカーボンクレジットの、日本版にあたる。森が吸った二酸化炭素の分を国が「クレジット」として認め、企業に売れるようにする。

💡 J-クレジットって、どんな仕組み?
国吸った量を認める森の持ち主森を手入れして二酸化炭素を吸う企業二酸化炭素を出しているクレジットを売るお金を払う企業は、出した二酸化炭素の量から、買った分を差し引ける森の持ち主は、売ったお金を、また森の手入れに使う
J-クレジット制度(農林水産省・経済産業省・環境省、2013年度から)、林野庁「令和7年度 森林・林業白書」から。図はわたし

例えると、企業がどうしても出してしまう二酸化炭素の分を、森に吸ってもらったことにして、その分のお金を払うのに近い。企業は出した分を埋め合わせでき、森の持ち主には、木を売る以外の収入が入る仕組みだ。

クレジットは、森のほかに、省エネや再エネの設備からも生まれる。森林由来のクレジットは、東証の取引で、二酸化炭素1トン分あたり平均5,584円(2026年3月末までの平均)。省エネ由来(2,927円)や再エネ由来(4,590円)より高い。

量も増えている。制度が始まってから、森林由来のクレジットとして認められたのは、合計240.1万トン分。そのうち100.5万トン分、約4割は、2025年度の1年だけで認められた。

📈 森林由来のJ-クレジットとして認められた量(制度が始まってからの累計)
0100200万トン17.862.6139.6240.120132016201920222025(年度)
林野庁「令和7年度 森林・林業白書」資料1-18のデータ(エクセル)から。単位は二酸化炭素の万トン。J-VERなど前の制度から移った分を含む

2026年度からは、国の排出量取引の仕組みも、本格的に始まった。大きな企業ごとに、二酸化炭素を出してよい量の枠を決め、枠が足りない企業と余った企業が、枠を売り買いする仕組みだ。ここでも、J-クレジットを買えば、出した量の1割までなら差し引ける。

森をまとめやすくなり、木のほかにも売れるものが広がった。今回のファンドが、なぜ今なのかは、日経の続きを読まないとわからない。それでも、この2つがそろったことと、関係がありそうだ。


4. 「あやしい匂い」の正体は?

森そのものは、本物の資産だ。米国では、森を持つ会社が株式市場に上場していて、株として売り買いされている。

あやしいのは、森や水、二酸化炭素、環境といった言葉を、よくわからない権利と組み合わせて、個人に売る話だ。実際に、こんなトラブルがあった。

🚨 森や環境をうたう、実際にあったトラブル
手口
売り文句
実際は
原野商法の二次被害
「あなたの山林を高く買い取ります」
売ると同時に、もっと高い別の原野を買う契約になっていた。調査や整地の費用を先に払わせる例も
CO2の排出権
「元本は必ず戻る」「すぐ倍になる」
中身は、海外の排出権の値段に連動する、しくみの複雑な差金決済の取引。国が認めるJ-クレジットとは別物。払ったお金は平均で約347万円
水源の山林の権利
「配当が付く」「大手飲料メーカーが関与している」「日本の水源を守る」
売られたのは、価値のない権利。同じ業者が、立場のちがう2つの役を演じ分けて、投資のよさを強く言い、誘い込む
政府広報オンライン(データは国民生活センター)、国民生活センター(2011年9月)、鳥取県の注意喚起から。要約はわたし

とくに件数が多いのは、原野商法の二次被害だ。1970〜80年代に「値上がりする」と売られた山林や原野を持つ人に、「高く買い取ります」と近づく。相談はピークの2017年度に1,699件、2024年度も258件あった。契約した人の約9割が60歳以上で、「子どもに相続の負担をかけたくない」という気持ちにつけこむ(政府広報オンライン、データは国民生活センター)。

二酸化炭素の排出権の例では、「環境への手助けになれば」という思いで契約した人もいた(国民生活センター、2011年)。いいことをしたい気持ちが、入口にされてしまう。

見分け方を、公的な機関の注意からまとめると、こうなる。

🔍 あやしい話の見分け方
こんなとき
どうする
電話や訪問、手紙で、向こうから話が来た
きっぱり断る
「元本保証」「必ず値上がり」「すぐ倍」と言われた
危ない合図と考える
「買い取るための手数料」「調査費」など、先にお金を求められた
払わずに、まず疑う
「大手企業が関わっている」「日本の水源を守る」など、信用や善意に訴えてくる
うのみにせず、疑う
仕組みが、よくわからない
契約しない
困った、不安になった
消費者ホットライン188に相談する
政府広報オンライン、国民生活センター、鳥取県の注意喚起から。要約はわたし

今回のニュースから言えることが、もう1つある。「話題の森林ファンドに、個人も1口から参加できます」と誘われたら、それ自体を疑っていいかもしれない。プロ向けのファンドの多くは、一般の個人には売れない仕組みだからだ。アドバンテッジパートナーズ自身も、会社の名前をかたった投資の勧誘に、注意を呼びかけている。

わたし自身は、だまされないために、次の3つをルールとして決めている。

🛡 あずきが決めている3つのルール
①相場からかけ離れた利回りや「確実」は疑う。世界に分散したプロでも年5%前後。「必ず儲かる」「元本保証で高利回り」は、うまい話ではなく危ない話
②中身がわからないものは買わない。“何に、どういう仕組みで”投資しているのかを、自分が腑に落ちるまで説明できるものだけ持つ
③「あなただけの特別な情報」は、自分のところには来ない前提でいる。本当に儲かる話を、他人がわざわざ分けてくれる理由がない

くわしくは、こちらの記事にまとめている。


5. わたしたちは、もう森とつながっている

ファンドは買えない。でも、わたしたちは、もう森にお金を出している。

🔗 わたしたちと森の、つながり
つながり方
中身
森林環境税
2024年度から、住民税といっしょに1人年1,000円
オルカン
(世界の株の投資信託)
100万円のうち、約171円が米国の森林会社ウェアーハウザーの株
S&P500
(米国の大きな会社500社)
100万円のうち、約213円がウェアーハウザーの株
総務省・林野庁、SSGAのSPY(S&P500に連動するETF)とSPYY(オルカンと同じMSCI ACWIに連動するETF)の保有銘柄(2026年10月16日)から。比率はETFの中身からのわたしの計算。特定の銘柄をすすめるものではない

いちばん身近なのは、森林環境税だ。集めたお金は「森林環境譲与税」として、市町村と都道府県に配られ、間伐などの森の手入れに使われる。配るほうは、税を集める前の2019年度から、地方公共団体金融機構(自治体が共同でつくった金融機関)の準備金を使って、先に始まっている。

ただ、まだ使われていない分もある。2019〜2024年度に配られたのは、合計2,629億円。使われたのは1,959億円で、約670億円、約25%が残っている(わたしの計算)。

💴 森林環境譲与税(2019〜2024年度の合計)
配られたお金2,629億円使われたお金1,959億円
総務省・林野庁「令和6年度における森林環境譲与税の取組状況について」(2025年12月)の年度ごとの数字を、わたしが足した

会計検査院も、使い道をはっきりさせるよう求めている。森の多い町では、担当の職員が足りないという事情もある。

株を通じたつながりもある。米国のウェアーハウザーは、米国に広い森を持つ会社で、S&P500にも入っている。

🌲 ウェアーハウザーって、どんな会社?
中身
どんな会社
1900年創業で、本社は米国シアトル。2010年から、REIT(不動産投資信託)の形をとっている
持っている・管理している森
米国17州に、持つか長い契約で管理している森が1,000万エーカー超(約400万ha)。日本の人工林の約4割にあたる広さ。カナダでも、州の森を長い期間借りて管理している
何を売っている
森からは丸太。工場では、製材した木材や、木の薄い削り片を固めた板(OSB)、合板、梁などに使う加工した木材。土地の売却や、鉱物・エネルギー、カーボンクレジットも
会社の大きさ
売上は約69億ドル(約1.1兆円、2025年)。株の時価総額は約141億ドル(約2.2兆円、2026年10月16日)
日本とのつながり
日本向けの売上は2.71億ドル。西部の森の米松(ダグラスファー)は、日本の木造住宅の柱や梁に好まれるという
ウェアーハウザーの2025年の年次報告書、2025年10〜12月期の決算資料、会社サイトの沿革から。円は1ドル158円で換算。要約はわたし
📊 ウェアーハウザーの事業ごとの売上ともうけ(2025年)
売上もうけ(調整後EBITDA)森(丸太など)14.9億ドル5.8億ドル木材製品49.6億ドル2.5億ドル土地・資源4.5億ドル4.1億ドル
ウェアーハウザーの2025年10〜12月期の決算資料から。売上は外部への売上。もうけは調整後EBITDA(税金や利息、減価償却などを引く前の利益)

売上の約7割は、木材製品だ。でも、もうけの大半は、森と土地から出ている。木材製品は、住宅の需要や木材の値段で、もうけが大きく変わる。2025年の木材製品のもうけは、前の年の約4割まで減った。

S&P500に100万円なら、ウェアーハウザーは約213円分。500社の中では436位で、下のほうにいる。真ん中の会社は約660円分、1位のエヌビディアは約7万8,500円分だ(2026年10月16日)。S&P500の中では小さいほうでも、会社としては、売上が約1.1兆円ある、そこそこ大きな会社だ。

わたしが持っているオルカンとS&P500にも、ほんの少し、森が入っている、というわけだ。


6. 北海道の森

わたしの生まれた十勝がある北海道も、森の多い土地だ。

  • 森の面積は554万haで、全国の22%。道の土地の71%が森
  • 国や自治体の森が72%(全国は43%)
  • 道産の木材の自給率は69.9%(2022年度。全国は同じ年に40.6%)
  • 主な木は、カラマツやトドマツ。山に立ったままの値段は、マツ類で1m³あたり4,994円と、スギ(4,026円)より高い(2025年3月末)

十勝は、道内の木材の産地でもある。製材とチップの生産は、それぞれ道内の25%をしめる(林野庁の2019年度の資料)。新得町の新しい役場では、キャビネットなどの家具に、町内の国有林のカラマツが使われた。2026年6月には、北海道銀行などが、西十勝森林組合と、森のJ-クレジットをつくるための連携協定を結んでいる。


7. わたしは、どう思う?

日本は、ある意味、めぐまれている。森と水、十勝のような平野。南北に長い国なので、北と南で気候がちがう。四季もある。

そして、そのめぐみは、すべてつながっている。十勝の農業も、土と水と気候のめぐみの上にある。森と川と海も、同じだ。

宮城県気仙沼のカキ漁師、畠山重篤さんは、1989年から、海に注ぐ大川の上流の山で、木を植える活動を続けた。合言葉は「森は海の恋人」。森の栄養が、川を通って海に届き、カキを育てるからだ。

花や緑と、どう共に生きるか。来年は、そのことを考える博覧会が開かれる。2027年3月から9月に、横浜で開かれる国際園芸博覧会(GREEN×EXPO 2027)だ。開催意義には、こう書かれている。

「花や緑との関わりを通じ、自然と共生した持続可能で幸福感が深まる社会の創造を提案、横浜から明日に向けた友好と平和のメッセージを発信します。」

100年以上前に、自然のつながりを、こう書いた人がいる。

原文
When we try to pick out anything by itself,
we find it hitched to everything else in the universe.
日本語にすると
何かひとつだけを取り出そうとすると、
それが宇宙のほかのすべてと
つながっていることに気づく。
ジョン・ミューア

アメリカで「国立公園の父」と呼ばれる、ジョン・ミューアの言葉だ。1869年の夏、羊の群れを山へ連れていく仕事に付き添って、シエラネバダの山に入り、木や花、動物をていねいに書きとめた。その記録をもとに、1911年に出した『My First Summer in the Sierra(はじめてのシエラの夏)』の一文だ。自然は、ひとつだけを取り出しては語れない、ということを書いている。

原文の「hitched」は、馬を荷車につなぐときなどに使う言葉で、「ロープでつながれている」というイメージだ。たとえば、1本の木だけを見ようとしても、その木は、根を張る土、雨や川の水、花粉をはこぶ虫、実を食べる鳥と結びついている。ひとつだけを引っぱり出そうとすると、つながったほかのものまで、一緒についてくる。畠山さんの「森は海の恋人」も、同じことを言っている。

森林ファンドがどんなものになるのか、今はわからない部分が多い。それでも、未来へ向けて、森がお金を生み、持続的に保全されていく仕組みになればよいと、漠然とした期待はある。

お金はもちろん大事だ。でも、自然の恵みがなければ、人は生きていけない。


8. まとめ

🐾 この記事のまとめ
  • 10社を超える企業が、5〜7年で1,000億円くらいを日本の森に投じる、国内初の大型の森林ファンドが、2027年春にもできる
  • プロ向けの形で、個人は買えないとみられる。個人向けの森林ファンドは、過去に元本割れした例がある
  • 日本の森は、伐りどきの木が多い。ただ、スギの値段はピークの2割以下で、持ち主が小さく、わからない森も多い
  • 2026年4月の法改正と、J-クレジットの広がりで、森をまとめてお金を生む道が見えてきた
  • 森や環境をうたう勧誘のトラブルは、実際にある。「話題の森林ファンドに個人も参加できる」という誘いがあったら、疑っていいかも
  • わたしたちも、森林環境税やオルカンを通じて、もう森とつながっている
  • 森林ファンドは、わからない部分がまだ多い。それでも、森がお金を生み、守られていく仕組みになればよいと期待している
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📚 参考にした情報源 ・起点の記事:日本経済新聞「国内初「森林ファンド」1000億円投資、金融・商社・ゼネコンが連合」(2026年10月19日)
・ファンドと海外の森:アドバンテッジパートナーズ(お知らせ)、同(VIII号ファンド)、住友林業(2023年7月)、同(森林ファンド)、New Forests(王子ホールディングス)、Global AgInvesting(双日・EFM)
・個人とファンド:金融庁(適格機関投資家等特例業者)、林野庁「森林等への投資の促進に向けた調査事業 報告書」(2024年3月)
・日本の森:林野庁「令和7年度 森林・林業白書」、林野庁「森林資源の現況」、日本不動産研究所「山林素地及び山元立木価格調」、林野庁「森林経営管理制度と森林環境譲与税」、鹿児島県(森林経営管理法の改正)
・あやしい話:政府広報オンライン(原野商法)、国民生活センター(原野商法の二次被害)、国民生活センター「CO2排出権取引に関する儲け話のトラブル」(2011年9月、山口県サイトに掲載)、鳥取県(山林の権利購入における投資トラブル)
・わたしたちと森:総務省・林野庁(森林環境譲与税の取組状況)、日本経済新聞(会計検査院、2025年12月)、SSGA(SPYの保有銘柄)、SSGA(SPYYの保有銘柄)、ウェアーハウザー(2025年の年次報告書)、同(2025年10〜12月期の決算資料)、同(沿革)
・北海道と十勝:北海道データブック2024(林業)、林野庁 北海道森林管理局(十勝森林計画区)、十勝西部森林管理署東大雪支署、北海道銀行(2026年6月)
・森と海:三井物産環境基金(畠山重篤さん)、2027年国際園芸博覧会協会(開催概要)
・格言:ジョン・ミューア『My First Summer in the Sierra』(1911年)、シエラクラブ
⚠ 免責事項 この記事はあずき個人の考えと記録です。特定のファンドや銘柄、山林の売買をすすめるものではありません。ファンドの中身は、正式な発表で変わることがあります。

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