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住宅ローンの「手数料ゼロ」は得なの? 目先の負担を軽くすると、あとで重くなる
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住宅ローンの「手数料ゼロ」は得なの? 目先の負担を軽くすると、あとで重くなる

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ごまもち
🐾 ごまもち
じゅうたくろーんの、てすうりょうが、ぜろ?🐾
あずき
あずき
最初に払うお金が、なくなるんだって。

10月21日の日本経済新聞に、「住宅ローン、ネット銀『目先の負担減』競う」という見出しが載った。PayPay銀行は、住宅ローンの事務手数料をゼロにするという。

わたしは賃貸に住んでいて、住宅ローンは組んでいない。組む予定もない。

わたしの見方としては、目先の負担を減らしたり、長くローンを組んだり、結果的に大きい負担になるものには、手を出してはいけないと思っている。

ただ、日経の記事の中身は読んでいない。手数料ゼロは、本当に損なのか。調べてみた。

先に答えを言うと
🏦「何が起きているの?」
→ ネット銀行が、住宅ローンの「目先の負担」を軽くする商品を広げている。PayPay銀行は、借りる額の2.2%の事務手数料をゼロにする新しいプランを、11月にも始めるという
💴「手数料ゼロは、得なの?」
→ 早く返し終える人には得になる。ただ、手数料ゼロの型は金利が上乗せされることが多く、長く借りるほど、払う総額は大きくなる
📏「長く借りると、どうなる?」
→ 毎月の返済は軽くなる。でも、4,000万円を50年で借りると、35年より総額が約900万円ふえる(PayPay銀行の例)
🤝「なぜ銀行は競うの?」
→ 金利のある世界で、預金の取り合いが激しい。住宅ローンを借りた人は、給料の振り込みも、その銀行にまとめやすい
🐾「わたしは、どう思う?」
→ 目先の負担を減らしたり、長くローンを組んだり、結果的に大きい負担になるものには、手を出してはいけない
順番に見ていく。

1. ネット銀行の「目先の負担減」って?

住宅ローンを借りるときには、利息のほかにも、お金がかかる。そのひとつが事務手数料だ。PayPay銀行は今、借りる額の2.2%を事務手数料として受け取っている。4,000万円を借りれば、88万円になる。

日経によると、PayPay銀行は11月にも、この事務手数料をゼロにする新しいプランを始める。ただ、10月21日の時点で、公式の発表はまだない。金利がどれくらい変わるのかも、わからない。

「目先の負担」を軽くする住宅ローンは、ほかの銀行にもある。

🏷️ 「目先の負担」を軽くする、住宅ローンの例
銀行
中身
PayPay銀行
今は事務手数料が借りる額の2.2%。11月にも、手数料ゼロの新しいプランを始めると報じられた(公式の発表はまだ)
みずほ銀行
「借入時負担ゼロ型」。借りるときの銀行の手数料は0円で、そのかわり金利が高め(ページの例では年0.2%高い)
ソニー銀行
手数料4万4,000円で金利が高めの型と、手数料2.2%で金利が低めの型を選べる。金利の差は年0.36%
楽天銀行
事務手数料は、借りる額にかかわらず33万円
各行の50年ローン
返す期間を35年より長くして、毎月の返済を軽くする。多くの銀行で、35年より長く借りると、ローン全体の金利が上乗せされる
日本経済新聞(2026年10月21日)、各行の公式ページ(2026年10月)から。要約はわたし

形はいろいろだが、共通するのは、最初や毎月に払うお金を、小さくすることだ。


2. 手数料ゼロは、本当にお得?

ごまもち
🐾 ごまもち
てすうりょうが、ぜろなら、おとくだよね?🐾
あずき
あずき
それが、そうとも言えないんだよ。

手数料ゼロの住宅ローンは、そのかわりに金利が上乗せされることが多い。公式の数字で比べられる、みずほ銀行の2つの型で計算してみた。

🧮 手数料ゼロ型と、手数料を払う型の総額(4,000万円・35年)
手数料を払う型
手数料ゼロ型
借りるときの手数料
88万円
0円
金利(年)
1.275%
1.475%
毎月の返済
11万8,113円
12万1,985円(+3,872円)
35年の総額(手数料込み)
約5,049万円
約5,123万円(+約75万円)
みずほ銀行「借入時負担ゼロ型」のページにある例の金利(2026年9月9日現在)で、元利均等返済(毎月の返済額を一定にする返し方)・金利がずっと変わらないとして、わたしが計算。手数料を払う型の手数料は、借りる額の2.2%

手数料ゼロ型は、借りるときの88万円が要らない。でも、金利が年0.2%高いので、毎月の返済が3,872円ふえる。35年かけて返すと、総額は約75万円多くなる。

例えると、88万円の手数料を、分割払いにするのに近い。最初は払わなくていいが、毎月の返済に少しずつ乗ってくる。長く払い続けるほど、もとの88万円より多く払うことになる。35年なら、毎月の差3,872円が420回で、約163万円。払わずにすんだ88万円を差し引いても、約75万円多い、というわけだ。

ただ、早く返し終える人には、手数料ゼロ型のほうが得になる。みずほ銀行も、自分のページでそう試算している。

⏱️ 手数料ゼロ型は、何年で返すと得?
5年で返し終える約51万円 得8年で返し終える約31万円 得13年で返し終える約3万円 得それより長く借りると、手数料を払う型のほうが得
みずほ銀行「借入時負担ゼロ型」のページの試算(4,000万円、2026年9月9日現在)から。銀行の試算は元金均等返済(毎月返す元金を一定にする返し方)。上の表の元利均等返済で計算しても、得と損が入れかわるのは12〜13年で、ほぼ同じ

住み替えや繰り上げ返済(予定より早く、まとめて返すこと)で、13年前後までに返し終えるなら、手数料ゼロ型が得。分かれ目は、金利の上乗せの幅で変わる。ソニー銀行の2つの型(金利の差は年0.36%)で同じように計算すると、分かれ目は6〜7年まで短くなる(わたしの計算)。


3. 長く借りると、総額はどうなる?

目先の負担を軽くする、もうひとつの方法が、長く借りることだ。最近は、50年で借りられる銀行が増えている。

📏 4,000万円を借りたときの、返す総額
35年(年1.45%)約5,103万円50年(年1.75%)約6,005万円
PayPay銀行の50年ローンのページの例から。毎月の返済は35年で12万1,496円、50年で10万79円。35年の年1.45%は、ソフトバンクのサービスを使う人への割引を入れた例の金利。50年は、金利が年0.3%上乗せされている

4,000万円を50年で借りると、毎月の返済は、35年より約2万1,000円軽くなる。でも、返す総額は約900万円ふえる。35年より長く借りると金利が上乗せされるうえに、利息を払う期間も長くなるからだ。

借金の減り方も、ゆっくりになる。

🏠 30年たったときに、まだ残っている借金
借りた額に対して
4,000万円なら
35年で借りた
約2割
約781万円
50年で借りた
5割以上
約2,178万円
国土交通省「住宅ローンの常識が変わる!?」(2026年3月)の試算から。30歳で4,000万円を借りて、60歳になったとき

30歳で借りて60歳になっても、50年ローンなら、借りた額の半分以上が残っている。国土交通省の資料は、住み替えが難しくなることや、収入が減る時期と返済が重なることにも、注意をうながしている。

変動金利(世の中の金利に合わせて見直される金利)で借りた場合の、「5年ルール」「125%ルール」も、目先を軽くする仕組みのひとつだ。金利が上がっても、毎月の返済額は5年間変えず、見直すときも、前の返済額の1.25倍までにする。毎月の返済は、いきなり重くはならない。でも、本来ふえるはずだった分が、なくなるわけではない。国土交通省の資料によると、あとの返済に先送りされる。PayPay銀行とソニー銀行は、このルールを取り扱っていない。その場合は、半年ごとの金利の見直しのたびに、返済額もそのまま変わる。


4. 「金利のある世界」で、なぜ銀行は住宅ローンを競うの?

日本銀行は、9月18日に政策金利を1.25%に上げた。住宅ローンの金利も上がっている。PayPay銀行の変動金利のもとになる「基準金利」は、今年は4月・7月・10月の3回上がり、2.680%から3.530%になった。

💡 基準金利って?
中身
どんな金利
銀行が自分で決める、変動金利の住宅ローンの「ものさし」。PayPay銀行は原則毎月決め直し、すでに借りている人の金利は年2回(4月・10月)見直す
何に合わせて動く
世の中の金利。日本銀行が政策金利を上げると、それに合わせて上がる
借りる人の金利
基準金利から、決まった割引の幅を引いた数字。PayPay銀行なら、3.530%−1.950%=1.580%
割引の幅
借りたときに決まり、変動金利のままなら、返し終えるまで変わらない(PayPay銀行の「全期間引下型」の場合)
PayPay銀行の金利のページ(2026年10月21日現在)、基準金利の変更のお知らせ(2026年9月30日)から。要約はわたし

例えると、ガソリンスタンドの店頭価格と、会員の値引きに近い。店頭価格は、原油の値段に合わせて上がったり下がったりする。会員の値引きは「いつでも1リットル5円引き」のように、最初に決まったまま変わらない。だから、店頭価格が上がれば、値引きのあとに払う値段も上がる、というわけだ。

金利のある世界では、預金を集めて貸し出せば、銀行のもうけが出やすくなる。だから、銀行どうしは預金の取り合いをしている。PayPay銀行は、11月から普通預金の金利を、最大で年0.8%相当に上げる。

住宅ローンは、その入口になる。

🤝 銀行が住宅ローンで、ほしいもの
中身
給料の振り込み
三菱UFJ銀行と三井住友銀行のいちばん低い金利は、その銀行で給料を受け取ることが条件
返済の口座
PayPay銀行は、返済を自分の銀行の口座に限る。楽天銀行は、ほかの銀行の口座で返すと金利が年0.3%上がる
長いつきあい
住宅ローンは数十年続く。そのあいだ、預金やカードなどの取引も期待できる
各行の公式ページ(2026年10月)、信金中央金庫 地域・中小企業研究所のレポート(2025年2月、2026年1月)から。要約はわたし

住宅ローンは、金利を大きく割り引いて貸すので、それだけでは銀行のもうけは大きくない。それでも、借りた人と数十年のつきあいができる。給料の振り込み、預金、カード。住宅ローンをきっかけに、取引をまとめてもらえる。信用金庫の研究所のレポートも、住宅ローンを、給料の口座を取る道具として見直す動きがある、と説明している。

借りる側の多くは、変動金利を選んでいる。住宅金融支援機構の調査(2026年1月)では、変動金利を選んだ人が75.0%。変動型や固定期間選択型で借りた人に聞くと、金利が上がったら返済がどれくらいふえるかについて、自分が理解できているか少し自信がない、よく理解していない、全く理解していない、と答えた人は、合わせて52.0%いた。

📊 金利が上がったときのことを、借りた人はどれくらい理解している?
十分に理解ほぼ理解理解しているか少し不安よく理解していない全く理解していない金利が上がったら、返済額がどれくらいふえるか15.132.836.811.2不安・理解していない 合計52.0%返済額がどんなルールで変わるか(5年・125%ルールなど)17.035.934.19.3不安・理解していない 合計47.2%金利がどんなルールで変わるか(基準金利の見直しなど)21.036.231.87.6不安・理解していない 合計42.6%
住宅金融支援機構「住宅ローン利用者の実態調査」(2026年1月調査、2025年4〜9月に借りた人のうち、変動型・固定期間選択型の1,112人)から。単位は%

5. わたしは、どう思う?

わたしが見ているのは、結局トータルでいくらなの?ということだ。

みずほ銀行の例で計算した手数料ゼロ型は、毎月の差が3,872円。でも、35年、420回払い続けると、総額は約75万円多くなる。50年ローンは、毎月が約2万1,000円軽い。それでも、総額は約900万円ふえる。目先の数字は小さくても、全部を足すと、大きな金額になる。

借りる時の地蔵顔、
返す時の閻魔顔
ことわざ

お金を借りるときは、地蔵のようににこやかな顔をする。でも、返すときには、閻魔のような渋い顔になる。お金の貸し借りでの、人の心の動きを言い当てた、昔からのことわざだ。目先の負担を軽くするローンは、借りるときの顔を、もっとにこやかにしてくれる。でも、そのぶん返す総額がふえ、閻魔の顔でいる時間が長くなる。

手数料ゼロのプランも、50年ローンも、わたしは使わないし、すすめることもしない。

計算してみると、手数料ゼロ型は、早く返し終える人には得になる。ただ、2章で例に出した損得の分かれ目は、13年前後だ。13年で返す計画を立てるなら、月々の返済額は当然高くなる(4,000万円なら、35年で毎月約12万2,000円のところ、13年では約28万2,000円)。人生、何が起こるかわからない。それが10年をこえる話になると、なおさらだ。自分は不死身ではない。当然、病気になることもあれば、落ち込むこともある。そんなとき、閻魔の顔で返済を渋っても、銀行は許してくれない。最悪の場合、家は差し押さえられて売られ、借金だけが残ることもある。だから、もし長期でローンなどを組むなら、さまざまなリスクを想定して、より慎重に、余裕をもって、無理のない計画を立てたい。


6. まとめ

🐾 この記事のまとめ
  • ネット銀行が、住宅ローンの「目先の負担」を軽くする商品を広げている。PayPay銀行は、事務手数料ゼロの新しいプランを11月にも始めるという
  • 手数料ゼロの型は、金利が上乗せされることが多い。早く返せば得、長く借りるほど総額は大きくなる
  • みずほ銀行の例の金利で計算すると、4,000万円を35年で返す場合、手数料ゼロ型のほうが総額で約75万円多い
  • 50年で借りると、毎月は軽くなるが、総額は35年より約900万円ふえ、30年たっても借金が半分以上残る
  • 金利のある世界で、銀行は預金と給料の振り込みを取り合っている。住宅ローンは、その入口だ
  • わたしは賃貸で、住宅ローンは組んでいないし、組む予定もない
  • わたしは、目先の負担を減らしたり、長くローンを組んだり、結果的に大きい負担になるものには、手を出してはいけないと思っている
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📚 参考にした情報源 ・起点の記事:日本経済新聞「住宅ローン、ネット銀「目先の負担減」競う PayPayは手数料ゼロに」(2026年10月21日、会員限定)
・各行の住宅ローン:PayPay銀行(商品の内容)、同(金利)、同(50年ローン)、同(基準金利の変更:4月)、同(7月)、同(10月)、みずほ銀行(借入時負担ゼロ型)、ソニー銀行(金利)、同(5年ルール・125%ルール)、楽天銀行、三菱UFJ銀行、三井住友銀行
・金利と注意点:日本銀行(2026年9月18日)、国土交通省「住宅ローンの常識が変わる!?」、住宅金融支援機構「住宅ローン利用者の実態調査」
・銀行が競う理由:信金中央金庫 地域・中小企業研究所(2025年2月)、同(2026年1月)、PayPay銀行(普通預金金利、2026年9月18日)
・格言:ことわざ「借りる時の地蔵顔、返す時の閻魔顔」(ことわざを知る辞典)
⚠ 免責事項 この記事はあずき個人の考えと記録です。特定の住宅ローンや銀行をすすめるものではありません。金利や手数料は変わります。計算は、金利がずっと変わらないとした目安です。

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