減配の罠——高配当株で失敗しないために意識している5つのこと
高配当株投資をしていると、いつか必ず向き合うことになるのが「減配」だ。わたし自身、保有株が実際に減配したことがある。ほどなく配当は元の水準に戻ったので大きなダメージにはならなかったけれど、減配の発表直後に株価が急落する場面を目の当たりにして、企業が配当を維持し続けることの難しさと大切さをあらためて実感した。
配当を維持し続けることは、本当に難しい
考えてみると、業績が悪化しても配当を維持するのは企業にとって相当な負荷だ。売上が落ちている中で株主へのお金を守るには、内部留保を削るか、借入で賄うしかない。
一方で、無理をして配当性向(利益に対して配当に使う割合)が上がりすぎると、それ自体が危険信号として市場に受け取られる。長い間、減配せずに配当を維持し続けている企業というのは、本当に努力の積み重ねだと思っている。
だからこそ、最初から「減配しにくい企業」を選ぶことが、高配当株投資で長く続けるための一番の近道だと感じている。
わたしが意識している5つのこと
① 過去に減配しているかどうかを確認する
IRBANKで過去の配当推移を必ず確認する。ここで過去に減配している企業は、「業績が悪化したら減配する」という体質・考え方がある企業だと思っている。
もちろん、存続を優先して配当を削る判断は理解できる。でも同じく厳しい状況でも配当を守った企業もある。そういう企業には、株主に対する誠意のようなものを感じる。わたしが選ぶのは後者だ。
② 配当利回りが高すぎる銘柄は慎重に
配当利回りが7〜8%を超えてくると、市場が「この配当は維持できない」と判断している可能性がある。
利回りは「配当金 ÷ 株価」で計算されるから、株価が下がると利回りは上がる。つまり高利回りの裏には「株価が下がっている理由」があることも多い。わたしは4%前後を目安にしていて、あまりにも高い利回りの銘柄には慎重になるようにしている。
③ 配当性向の高さに注意する
利益に対して配当に使っている割合(配当性向)が高すぎる企業は、業績が少し悪化しただけで減配に追い込まれるリスクがある。
業種によって適切な水準は違うけれど、配当性向が70〜80%を超えてくると無理をしているサインの可能性がある。業種によって適切な水準は違うけれど、この水準を超えている状況が続いている企業には、いくら利回りが魅力的でも手を出しにくい。
④ 不正会計・粉飾決算のある企業は避ける
過去に不正会計や粉飾決算があった企業は、いくら業績が良くても選ばないようにしている。
トップが変わっても、そういう企業風土や体質はそうそう変わらないと思っているからだ。「よっぽど魅力的でない限りは手を出さない企業」として、心の中でリストに入れている。
⑤ 基準を外れた銘柄・「ノリ」で買った銘柄を持たない
上場したての株を少額だが買ったことがある。最初は大きく上がって嬉しかったけれど、その後下がり続けて半値近くになった。もともとそれほど思い入れのある銘柄でもなかったので、持っていること自体が面倒になって売ってしまった。
「ノリで買うものじゃない」とあらためて実感した経験だ。自分の選定基準をクリアしていない銘柄は、下落したときにホールドし続けることができない。基準を守ることが、減配以外のリスクを防ぐことにもつながっていると思っている。
番外編:セクターの動きと個別銘柄の動きをみる
減配を事前に察知する方法として、セクター全体の動きと個別銘柄の動きを比較するのも参考になる。
同じ業種の株が全体的に上がっているのに、特定の銘柄だけ下がっていたり、逆に急騰しているときは何か理由があることが多い。そういう違和感を感じたときは「何か悪いニュースでもあったかな」「M&Aや上場廃止の話が出ているのかな」と調べるようにしている。
毎日株価をチェックするのは正直面倒だし、わたし自身もそこまではしていない。むしろ意外と役に立つのがX(旧Twitter)の株クラ(株式投資クラスター)の発信だ。何か動きがあると「なんか盛り上がってるな」「ざわついてるな」という雰囲気がすぐ流れてくる。Xは情報の伝達が早いので、保有株に関する異変を察知するアンテナとして上手く使うと良いと思っている。
- 減配が発表されると株価も急落する。ダブルパンチになるからこそ、最初から減配しにくい企業を選ぶことが大事
- 過去に減配した企業は「減配する体質」があると考える。IRBANKで過去10年以上の配当推移を必ず確認する
- 配当利回り7〜8%超えは要注意。高利回りの裏には「株価が下がっている理由」がある場合が多い
- 配当性向が高すぎる(100%近い)企業は、業績悪化時に減配リスクが高まる
- 過去に不正会計・粉飾決算があった企業は企業風土として避ける。トップが変わっても体質はそうそう変わらない
- 基準を外れた「ノリ買い」は下落時にホールドできず後悔する。自分の基準を守ることが最大のリスク管理




