フリーランスの国民健康保険を安くする方法——わたしが今やっていること、まだやらないこと
会社員からフリーランスになって最初にぎょっとするのが、国民健康保険の高さ だ。会社員時代は会社が半分払ってくれていた健康保険料を、フリーランスは全額自分で負担することになる。
わたしは2023年にフリーランスへ転向して、今が3年目。国保は年間35万円ほど(課税所得400万円ベース)。これは決して安くないけれど、自分のフェーズに合った節税 を組み合わせて、なんとかこの水準で踏みとどまっている、という感覚だ。
この記事では、わたしが今やっていること・まだやらないことを正直に書く。これからフリーランスになる人、すでになって国保にうなっている人の参考になればうれしい。
現状:国保は年35万円、課税所得400万円
まずは数字から。
国保は前年の課税所得をベースに計算されるので、「課税所得をどう適正に下げるか」がそのまま保険料の節約に直結する仕組みになっている。
つまり、節税=保険料節約。シンプルといえばシンプル。
わたしが今やっていること:青色申告と経費の積み上げ
結論からいうと、わたしが今やっている節税はとてもシンプルだ。
青色申告(特別控除65万円)と、家事按分・経費の地道な積み上げ。 これだけ。
青色申告特別控除(65万円)
フリーランスになったら絶対やったほうがいい、というのが青色申告。条件を満たせば最大 65万円の控除 が受けられる。
これだけで、課税所得が65万円下がる。国保は所得連動なので、保険料も自動的に下がる仕組み。
実際の手続きは、freeeなどのクラウド会計ソフトを使えばそこまで難しくない。詳しくは freeeで青色申告した話 に書いた。
家事按分(自宅で仕事をする場合)
自宅をオフィスとして使っているフリーランスは、家賃・光熱費・通信費の一部を経費にできる。これが家事按分。
わたしの場合、お客様とのやりとりや制作進行など、自宅で完結する仕事がほとんどなので、家賃・電気・ネット回線・スマホ通信費の何割かを按分している。割合は仕事に使っている時間や面積で決める(無理のない範囲で)。
経費の計上(仕事に直結するもの)
事業として使っているものは、ちゃんと経費にする。
- 撮影機材、PC、編集ソフト
- AIサブスク、クラウドストレージ
- 取材・打ち合わせの交通費・交際費
- コミュニティの会費(情報源として仕事に直結する場合)
- 専門書、関連分野の勉強代
「これって経費になる?」と迷うものは、フリーランスの先輩か、最近だとAIに聞きながら判断している。
わたしが「まだやらない」こと
ここからが本題かもしれない。節税の王道とされる手法でも、自分のフェーズには合わないからやっていない ものがいくつかある。
① 国保組合:今の所得だと差が小さい
業種によっては、業種特化の国民健康保険組合に入れる場合がある。代表的なのが、クリエイター向けの 文芸美術国民健康保険組合。
一般的に、こうした組合は所得に関係なく固定の保険料なので、所得が高い人ほど通常の国保より安くなる、と言われている。
参考までに、文芸美術国保の最新の保険料はこんな感じだ。
つまり、所得に関係なく月額は同じ。家族構成と年齢だけで決まる、シンプルな仕組み。
加えて、文芸美術国保は加盟団体経由での申し込みと既存組合員の推薦が必要で、加入のハードルもそれなりにある。3万円は小さくないけれど、手間も含めて天秤にかけると微妙なライン——というのが、今のフェーズでのわたしの判断だ。
所得がもっと上がってくると、固定額の組合のほうが相対的にお得になってくる。そのタイミングで再検討する候補にしている。
② 社保加入サービス:今はそもそも使えない
一時期話題になっていた社会保険に加入できる代行サービス(フリーランス向けに法人雇用などのスキームで社保に入れるもの)もチェックしてみた。
これも計算した結果、わたしの所得では大きなメリットがなかったので保留。ただ、それ以上の問題として、現在はサービス自体が利用できなくなっていると認識している。いわゆる「国保逃れ」と見なされたことが原因のようだ。
ニュースを追っているとわかるけれど、抜け道っぽい仕組みは、長続きしないことが多い。
③ マイクロ法人:課税所得500万円が分岐点と判断
そして節税の話で必ず出てくるのが マイクロ法人。個人事業と並行して小さな法人を作り、役員報酬を最低水準にすることで、社保の負担を大きく下げられる。節税の王道にして最強の対策 だと思う。
ただ、いろいろ調べて手間も含めて検討した結果、わたしの今のフェーズではまだ取り入れていない。
総合的に判断すると、わたしのような弱小フリーランスにはまだ必要ない、という結論になった。
ただ、最近はAIが書類作成などをサポートしてくれるので、法人設立のハードルは確実に下がっている印象もある。家族がいて国保の負担が大きくなっている人 は、情報を集めてトライしてみるのもアリだと思う。
結局、いちばん効いているのは「家事按分・経費の使い方」
派手な手法に手を出さなくても、青色申告+家事按分+経費の積み上げ だけで、課税所得は案外適正に抑えられるというのが、わたしの実感だ。
特に、家事按分や経費は「事業に必要な支出をきちんと事業に紐づける」という当たり前のことをやるだけ。やましい話ではないし、税務署に対しても堂々と説明できる範囲でやれば十分。
フリーランスのお金管理 や ふるさと納税 と組み合わせれば、できることはまだ少しある。
相談先:フリーランスの先輩、AI、コミュニティ
「経費にしていいか迷う」「自分のフェーズで何をやるべきか判断がつかない」——これはフリーランス1年目には特によくある悩み。
わたしの場合は、
- フリーランスの先輩に聞く:業界によって慣習が違うので、近い業種の人がいちばん参考になる
- AIに聞く:最近はかなり実用的。仕訳の判断や条文の確認などはほぼ即答してくれる
- コミュニティで質問する:わたしが所属しているコミュニティでも、税金や経費の話題は普通に出てくる
「まずは自分でやれることをやってみる」が大事。それでも迷ったら、税理士に相談するのも全然アリ。
まとめ:自分のフェーズで「ちょうどいい節税」を選ぶ
国保を安くする方法は、世の中にはたくさんある。でも、自分の所得・家族構成・手間の許容度によって、最適解は変わる。
そして、迷ったら 「自分でやれることをまずやってみる」。経験を積むほど判断軸ができていくので、最初の一歩を踏み出すのがいちばん大事だと思う。
- フリーランス3年目、国民健康保険は年35万円(課税所得400万円ベース)
- やっていることは青色申告(65万円控除)+家事按分(家賃・光熱費・通信費)+経費の積み上げ。シンプルだけどこれが一番効く
- 国保組合は今の所得だと差が小さく保留。所得が上がったら再検討
- 社保加入サービスは検討したがメリット小、現状はサービス自体が使えなくなっている
- マイクロ法人は節税の王道にして最強。ただ課税所得500万円が分岐点で、手間・税理士費用・事務手続き・設立コストを含めて、わたしのフェーズではまだ早いと判断
- 家族がいて国保負担が大きい人は、AIサポートで設立ハードルも下がっているので情報収集してトライする価値あり
- まずは自分でやれることから。フリーランスの先輩・AI・コミュニティに相談しながら、青色申告と経費計上を着実にやるのが近道




