フリーランス転向前に知っておきたい失業保険——わたしが半年・約70万円受給した話
フリーランスへの転向を考えているとき、「失業保険って使えるの?」という疑問を持つ人は多いと思う。結論から言うと、条件を満たせば使える。わたしは2023年3月に会社を辞め、約半年間・総額約70万円を受給した。その体験を正直に書いてみる。
失業保険とは——自分が納めてきたお金
失業保険(正式には「雇用保険の基本手当」)は、会社員として働いている間に毎月給与から天引きされている雇用保険料から支払われる制度だ。
もらって後ろめたいことは何もない。 自分が納めてきた保険であり、必要なときに受け取るのは当然の権利だと思っている。むしろ、知らずに使わないのが一番もったいない。
受給の条件
まず、受給するための基本条件を整理しておく。
手続きの流れ
退職後、実際にどんな流れで受給が始まるのかをまとめておく。
わたしは退職前に「退職後にやること」をTODOリストにまとめていた。失業保険の手続きだけでなく、年金・健康保険・iDeCoの切り替え、会社から受け取るべき書類の確認など、退職に伴うことをひと通り整理した。
退職後に「あの書類が足りない」と気づいて会社の総務に連絡するのはどうにも気まずい。だから在職中にできる限りクリアにして辞めるようにした。おかげで当日の手続きは思っていたほど手間ではなかった。
わたしの場合:2ヶ月の給付制限→約半年受給
わたしは2023年3月末に退職。自己都合だったので、7日間の待機期間+約2ヶ月の給付制限を経て、5月中旬ごろから給付が始まった。
給付期間は約半年、総額は約70万円(月10数万円)。毎月まとまった金額が入ってくることで、精神的な安定が全然ちがった。貯蓄が減るのはやはり不安になる。その不安を和らげてくれたのが失業保険だった。
受給中に仕事をしながら受け取る方法
フリーランス転向を考えているとき、「仕事が少し入ってきたら受給できなくなるの?」という疑問が出てくると思う。結論は、条件内であれば仕事をしながら受給できる。
わたしも担当の方に相談したところ、仕事をしながら受給できることを教えてもらった。ポイントはこの2つ。
当時はまだ仕事が少ない時期だったので上限を超えることはなかった。ただ、必ず正直に申告することだけは守ってほしい。
開業届のタイミングが重要
フリーランス転向を考えている人が特に注意したいのが、開業届を出すタイミングだ。
開業届を提出した時点で「就職した」と扱われ、失業保険の受給が終了する。わたしは失業保険の給付が全額終了した後に開業届を出した。
逆に、再就職が早く決まった場合は「再就職手当」という一時金を受け取れる場合もある。わたしは全額受給を選んだけど、状況に合わせてどちらが有利か確認しておくといいと思う。
失業保険が心の安定をつくってくれた
金銭的な支援はもちろんだけど、失業保険が与えてくれた一番の恩恵は 「焦らなくていい時間」 だと思っている。
貯蓄が減っていく不安があると、焦って本来やりたくない仕事を取りに行ったり、冷静な判断ができなくなることがある。失業保険があったことで、じっくり準備しながら、自分に合った仕事をていねいに選ぶことができた。
貧すれば鈍するではないけれど、追い込まれると正しい方向に進めなくなることがある。この制度があることで、正しいペースで前進できたと思っている。
まとめ:もらえるものは最大限活用する
会社を辞める前に、失業保険の制度をしっかり理解しておくことをぜひ知っておいてほしい。制度を知るだけで、退職へのハードルが下がるし、きちんと備えることができる。
事前の情報収集が、一番大切だと思っている。
- フリーランス転向前の退職でも、条件を満たせば失業保険は受給できる。離職前2年間に雇用保険加入12ヶ月以上が基本条件
- 自己都合退職は7日間の待機+給付制限期間(2025年4月以降は1ヶ月に短縮)の後、給付開始
- わたしは約半年・総額約70万円を受給。月10数万円の安定収入が精神的な支えになった
- 受給中も週20時間未満・1日4時間未満なら仕事ができる。働いた日は必ず申告が必要
- 開業届は受給終了後に提出するのが基本。提出時点で「就職」扱いになり受給が終了する
- 再就職が早く決まった場合は「再就職手当」が受け取れる場合もある
- 失業保険の一番の価値は「焦らなくていい時間」をつくってくれること。事前の情報収集が最大のアドバイス



